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Telesat第1四半期の売上高が減少、大規模な逆風予想

Telesatは4月30日に第1四半期の決算結果を発表し、連結売上1億5000万ドル、2019年同時期と比較して6%の減少を報告した。第1四半期の純損失は1億9900万ドルで、2019年の純利益は1億2300万ドルだった。

Telesat・・・カナダの衛星通信事業会社で、1969年5月2日に創業。世界最大級の静止衛星サービスプロバイダー。数十機の衛星の運用サービスを行っている。同国の2大衛星放送プロバイダーであるBell TVおよびShaw Direct、200以上のカナダのテレビチャンネルの通信を担う。

売上高の減少は、北米のDirect-to-Homeの顧客であるShaw Directのサービスが減少したことと、多額の資金調達を行っていた顧客契約の前払いサービス期間が終了したことによるものである。Telesatによると、これらの減少は、機器売上の増加と、Intelsat 29 e衛星の故障の影響を受けたユーザーへ提供するサービス収入によって一部相殺された。

Direct-to-Home・・・米国やカナダ、インド、中国、ロシアのように広い地域に点在する住宅を通信衛星などを使って送受信アンテナ機器を設置した家庭に直接、無線で双方向の通信インフラを提供する事業の総称。
Intelsat 29 e・・・ボーイング社が設計・製造した高速通信の静止通信衛星のこと。

4月30日の収支会見で、Telesat社長兼CEOのDan Goldbergは、新型コロナウイルスのパンデミックにもかかわらず、第1四半期の業績は同社の予想と一致していると語った。テレサット社は、今回のパンデミックの期間中、航空および海上の顧客に関連する逆風に直面すると予想しているが、Goldberg氏によると、これらの市場は2019年の総売上高の約10%を占めるという。同社は、カナダやアラスカにサービスを提供している農村地域のインターネット・サービス・プロバイダー (ISP) など、特定の顧客からの売上が増加しているが、航空や海事関連の売上減少は、これらの売上増加で相殺されることはないとみられている。

Goldberg氏によると、同社は2022年末までに低地球軌道 (LEO) 衛星群の運用を開始し、2023年には全世界でサービスを開始することに集中しているほか、連邦通信委員会が設定した早期インセンティブ清算支払いを受けるためにCバンド(通信バンドの一種)から周波数帯を移行する措置も講じているという。

LEO・・・人工衛星などの物体のとる衛星軌道のうち、中軌道よりも高度が低いもの。 地球を回る低軌道を地球低軌道 (low Earth orbit、LEO) と言う。LEOは、地球表面からの高度2,000km以下のことを主に指す。

航空会社やクルーズ船会社は現在、未来に目を向けて苦しんでいるが、TelesatのLow-Earth Orbit (LEO) コンステレーション(LEOの衛星群のこと)は、これらのビジネスが回復し、LEOコンステレーションが完全にサービスを開始したときに、これらのビジネスにブロードバンドを提供する競争上の優位性を持つだろうと述べた。

「私たちが予測していたサービス計画は、考え直さなければならないかもしれません。しかし、OneWebに何が起こったのか、新型コロナウイルスが現在、特に航空と海上分野で我々のサービスに影響力を持っていたとしても、総じて考えれば、私たちのLEOの計画の今のまま実施の予定です。」

【原文へ】”Telesat Revenue Dips in Q1, Company Expects Pandemic Headwinds” ©︎ Access Intelligence

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