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フランス ニューカレドニア 独立とニッケル ウベア島 パン島 ニッケル鉱山

ニューカレドニア

 5月13日、先住民カナックによる略奪、放火、道路封鎖などの暴動が発生したとされている。15日、フランス大統領府は非常事態を宣言した。

5月28日、フランス領ニューカレドニアの非常事態宣言は解除された。先住民カナックの独立運動が激しくなった1985年以来40年ぶりの非常事態宣言だった。
 暴動の原因はフランスの憲法改正案が可決されたことだった。自分たちの票の重みが減っていくことに反発した先住民の抗議活動が拡大し、暴動に発展した、と報道されている。数年前に行われた住民投票ではフランス残留が決まり、独立運動にとっては不本意な結果となっていたのだ。
 と同時に、経済関連のメディアにおいて「ニッケルが・・・」、「ニッケル相場が・・・」と騒がれているのも現実だ。
データ
 
人口24万人のうち40パーセントが先住民カナック
 世界のニッケル資源の4分の1を埋蔵 

 南太平洋。オーストラリアの右、ニュージーランドの上。シドニーから飛行機で3時間。日本からは直行便で9時間。南回帰線のすぐ近く。画像の中央上。

 細長い本島、グランドテール島。

 首都はヌメア ( Noumea ) 。島の中央を走る山脈には1500mを超える山が5つある。島の西側は乾燥地帯で、東側には熱帯雨林が見られる。

「ニューカレドニアのラグーン」は世界遺産。サンゴ礁が島を取り囲むようにできたラグーンの景勝地だ。ジュゴンやアオウミガメの生息地でもある。

ヌメア

 衛星画像は2024年5月17日。左上にニューカレドニアの国際空港。ズームイン。

 右上に見える飛行場は国内用のマジェンタ空港。それでは、パウダーサンドの白砂と青い海の島々へ!

メトル島

 ヌメアのごく近く。ズームイン。

 参考衛星画像は2022年11月15日。水上コテージ。

アメデ島

 中央下端、ヌメアから24キロ。中央上にはメトル島。ズームイン。

 参考衛星画像は2023年6月13日。ツアーの観光船が桟橋に着いている。

 中央にアメデ灯台。高さ56m。ナポレオンの時代にパリから船で運ばれてきた鉄製の灯台。

ウベア島

 衛星画像は2024年5月12日。本島の東にある島。ヌメアのマジェンタ空港から40分の距離。日本で「天国にいちばん近い島」といえばこの島。ズームイン。

 島の下の部分、ムリビーチで映画のロケが行われたそうだ。原田知世のトモヨにちなんで「トモヨビーチ」と呼ばれることがある。

 参考衛星画像は2023年4月19日。

 ビーチの切れ目の橋、ムリ橋のたもとにヴィラタイプの宿泊施設。

パン島

 衛星画像は2024年5月9日。本島の南。「海の宝石箱」とも呼ばれるビーチや湾が広がる島。フランス語では「天国にもっとも近い島」という愛称がある。飛行場あり。ズームイン。

 ウピ湾。

 クトビーチ。

 参考衛星画像は2023年6月13日。

ニッケル鉱山

 衛星画像は2024年5月22日。まずは前史。
 1853年、フランスに併合。
 1864年、ニッケルが発見された。
 この2つの歴史的出来事が決定的だった。3000年以上前から住んでいた先住民は土地を追い出され、奴隷にされた。その後ニッケル鉱山ではまず先住民が奴隷労働を強いられ、次に日本も含めたアジアからの労働者が従事した。フランスの植民地支配からの独立運動には長い歴史がある。

 フランスの金属資源グループ企業が牛耳るニッケル。露天掘りの鉱山、精錬所、積み出し港、廃棄物貯蔵所などの関連施設が本島のどこにでも見られる。
 まず島の東側にあるクアワ鉱山。ズームイン。

 参考衛星画像は2023年6月2日。森林はなくなり、山肌が削り取られている。近くの川に汚泥が流れ込んでいる。

 衛星画像は2024年5月5日。島の北部のティエバギ鉱山。サンゴ礁の海域に港があり、海が濁っているけど、世界遺産は大丈夫か。ズームイン。

 参考衛星画像は2023年3月22日。かつてはクロムの鉱山もあった。こんな環境汚染は、フランス本土じゃ許されないよ。

トントゥータ国際空港

 衛星画像は2024年5月17日。ヌメアから離れた所に立地。本島は山がちの地形なので、適当な用地がなかったのかもしれない。ズームイン。

 参考衛星画像は2023年3月22日。ボカシ部分は不明。

 ターミナル付近。

マジェンタ空港

 参考衛星画像は2023年4月3日。国内用空港。左上はニッケル企業の精錬所。

 マクロン大統領は事態収拾のために現地を訪れ、関係者と対話を再開したという。国益の優先事項は、
 ニッケル資源の重要性、ウィ!
 ニューカレドニアの地政学的重要性、ウィ!
 ・
 ・
じゃないだろう!
どうか血なまぐさい事態になりませんように。

注記)
a.衛星画像は、欧州宇宙機関 ( European Space Agency : ESA ) が運用する COPERNICUS ブラウザからスクリーンショットしたものを使用しています。.
b.地図画像・参考衛星画像は、ESRI が運用する World Imagery Wayback からスクリーンショットしたものを使用しています。

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