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イギリス スコットランド ネス湖 アーカート城 アイオナ修道院

イギリス

 このほどおよそ50年ぶりに未確認生物ネッシーの大がかりな捜索が行われた。ええっ、嘘だろ。ネッシーってネタバレなのに。まだ信じている人いるの?あの写真はニセモノだって・・・。今や、こんな反応すらも起きないくらいにスルーされているのでは。
 それでもスコットランドのネス湖には8月26、27の両日、世界中から数百人が集まり捜索に参加したという。結果的には、ネッシーの存在を裏付ける手がかりは得られず、大きな成果はなかった。
 ネス湖では昔から謎の生物の目撃談が知られていたが、1934年に新聞に掲載された一枚の写真が決定的な証拠とされてきた。首長竜のようなネッシーが水面に浮かんでいる写真を覚えている人も多いだろう。1993年にはそれがトリック写真であることがわかり、これもまた世界中を驚かせるニュースとなった。
 その間にもその後にもさまざまな調査が行われ、巨大うなぎ説などの仮説が立てられてきた。目撃証言、写真、映像などの多くの情報が乱れ飛ぶなか、未確認生物の存在についていまだに決着を見ていない。
 そもそも、ネッシーの伝説は20世紀になって語られ始めたものではない。6世紀の頃この地を訪れた聖人コルンバの伝記に目撃談が記述されているといわれている。とすると1000年以上もこの伝説は生き続けてきたわけだ。

 イギリス・スコットランド地方はグレートブリテン島の北部。隣はアイルランド。右の海は北海。

スコットランド

 左の島々はヘブリディーズ諸島。

 陸地の切れ目っぽいところにネス湖がある。中央から右上に見える黒い太線の部分。左下の島はマル島。右上のインヴァネス ( Inverness ) と中央のフォートウィリアム ( Fort William ) の町については後述。

 衛星画像は、2023年9月7日。ズームイン。

 ここだね。見出し画像では水系をはっきりと見るために画像を処理している。湖、沼、川、運河、海の位置がよくわかると思う。

ネス湖

 ネス湖は湖として閉ざされた水系ではなく、運河を通じて海とつながっている。ただし標高差があるので、海水が流れ込むことのない淡水湖である。細いネス湖の長さは35キロ、幅は2キロ、深い所は230m。北側から見ていこう。
 湖から流れ出るネス川の河口にインヴァネスの町がある。

 右上から湖が始まる。

 突起部にアーカート城の廃墟。

 湖の終わりの部分。

アーカート城

 左の町のほうにネス湖モンスタービジターセンターという施設があって、ネッシー関連の情報に触れることができる。もちろん、ネッシーのオブジェが展示されているし、グッズも販売されている。

 参考衛星画像は、2021年7月1日。17世紀に破壊されたというアーカート城。湖畔に残されている廃墟は、ネス湖の謎めいた伝説を演出する上で欠かせないスポットになっており、観光客には人気がある。ズームイン。

インヴァネス

 ハイランドと呼ばれるスコットランド北部。その中心地がインヴァネスで、鉄道が通っているのでネス湖の観光には便利だろう。ズームイン。

 参考衛星画像は、2021年7月1日。右上に駅が見える。バスターミナルも近くにある。

フォートウィリアム

 この町にも鉄道の駅があり、こちらからネス湖に出かける観光客もいる。画像中央。ズームイン。

 参考衛星画像は、2021年8月25日。中央に駅。

 インヴァネス駅にくらべると小さい。

アイオナ修道院

 マル島の左端にくっつくように近いのがアイオナ島。故郷のアイルランドを追われながらもキリスト教の布教にやってきた聖コルンバはまずこの島でアイオナ修道院をつくった。ズームイン。

 参考衛星画像は、2022年5月18日。右岸にフェリーターミナルがある。

 上陸してからすぐのところに廃墟となった修道院がある。

 中央に壁だけが残された修道院跡がわかるだろうか。ヴァイキングによって破壊されたということだ。
 聖コルンバはアイオナ修道院を拠点にしてスコットランドでの布教に乗り出した。その途上でネス湖の怪獣を目撃したとされる。

 北側に、のちにあらたにつくられたアイオナ修道院。聖コルンバはケルト系の修道院を広めた功績により、アイルランドの三大守護聖人の一人とされている。

 何か得体の知れない生き物がいるんじゃないか、この湖には。熱心なオカルトファンでなくても、ネッシーみたいな何かがいても不思議じゃない、いてもいいだろうぐらいに思っている人は意外に多いんじゃなかろうか。
 霧深いネス湖の湖岸を車で走っている時、黒い湖面が大きく波立っていたりしたら・・・。そんなドキドキ、ワクワク感を期待できるのがネス湖なのだろう。


注記)
a.
衛星画像は、欧州宇宙機関 ( European Space Agency : ESA ) が運用する EO ブラウザからスクリーンショットしたものを使用しています。.
b.参考衛星画像は、Esri が運用する World Imagery Wayback からスクリーンショットしたものを使用しています。

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