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人生初めての推し活

昔から超ひねくれている性格の私は
「ファン」今で言う「推し」という感覚に対して、かなり照れがあり、苦手だった。

どれぐらい苦手かというと、小さい頃周りの友達のようにジャニーズなどのアイドルを見て、◯◯大好き!みたいなキャピキャピした感じにはなれず、

サイコメトラーEIJIを見て唯一好きになったV6のイノッチに対しても、
POTATOをひっそり買って、誰にも見られないところでイノッチのページを見ることしかできなかった。
もちろん買ったPOTATOは家族にもバレたくなくてエロ本ぐらい部屋の奥底に隠していた。


誰かをやみくもに好き!応援する!と人に公表することはおろか、その感情を持つことすら自分の中では恥ずかしく、

誰かを応援するだけの人生なんてくそくらえ、自分は自分自身を応援してナンボじゃ!などと素直になれず、とにかくひねくれていた。


そんな私が去年初めて、
その感情を超えて、ついに初めての「推し」ができた。

それは「大日本プロレス」の選手たちだ。
札幌ペニーレーンというライブハウスで試合を観てから、ひっそりと試合映像を追っていくうちに、私はすっかりファンになっていた。

しかし、ひねくれクソ坊主の私は、
このファン心をどうしていいかわからず、燻りに燻った。

そんなとき、助け舟を出してくれたのは周りのそういった活動に知識のある友人たちだった。
皆、ジャニーズだったり、スポーツ選手だったり、ハロプロだったり、なにかのファン歴が長い、いわば推し活の先輩。

推し活について、たくさんご教示いただいた。

インスタのストーリーにはとにかく♥をつけて応援してる気持ちを表せ!
なんなら専用アカウントを作れ!などSNSで出来る推し活についても様々な方法があることを学んだ。

先輩方の、好きなら周りは気にするな!というアドバイスを元に、

私は去年10月頃、自分のバンドの関西ツアーに被っていて、ちょうど大日本プロレスの札幌大会が観にに行けなかったので
次の日の旭川大会の試合を一人で観に行くことにした。まさかの推し活初心者の地方遠征…

大日本プロレスの物販は、
選手の皆さんが自ら立っているので、お客さんは好きな選手から直接グッズを買ったり、写真を撮ることもできる。

そんなチャンスがあることはもちろん知っていたが、私は前述の性格が災いしてしまう。

わざわざ地方大会まで来たのに、物販に行くことに緊張して、恥ずかしがり、そこまで興味のないフリをしてしまう、私の中の童貞がでてきてしまったのだ。

本当は、すごい写真撮ってもらいたい!とか思ってるのに、この童貞感が我ながら超情けない。

試合を観終わったら、もういっそのことその感情を押し殺し、
そのまま物販を素通りして、一人で旭川の串鳥に飲みに行って終わろうなんて思い始めて
その旨を、推し活の先輩である友人たちにラインで伝える。

すると即座に「なにかっこつけんだ!お前、好きなんだろ!素直になれよ!」と叱咤激励をいただき、目が覚めた。

そう、私はただの超ファン。素直になれ!

勇気を振り絞って、選手の皆さんが立っている物販スペースに向かう。

モゴモゴ話していても、中々買うグッズを選べなくても、物販にいる選手の皆さんは超優しく接してくれた。
緊張しながらも写真も撮ってもらった。

私はその日、会場を出たあと、
素直になれた喜びを感じ、
勝利の串鳥に向かい、一人ハイボールを5杯ほど飲んでホテルで爆睡。

素直になれた気がした、串鳥の夜

このつたない推し活ロードにより、

ひねくれていた私は
人が人を応援する気持ちに理解が深まり、そういうものが人の心をどれほど豊かにする可能性があるのか、身をもって感じるようになった。

それは私自身が音楽をやってるときに、私の音楽を聴いてくれてる人が
もしかしたらこんな気持ちで聴いてくれているのか?、だったらもっとこうしなきゃ、などと想像するきっかけにもなった。

私はすでに年齢的には大人にはなっているが、また一つ知らない感覚を知り、また一つ、大人になれた。

推しは推せるうちに推せ!と先輩方が教えてくれましたが、そのご教示通り、

初めて今年の一月に後楽園ホールに行ったり、横浜のポップアップのイベントに行ったり、ちゃんと物販で写真を撮ってもらったり、徐々に超ファンな行動を取れるように。

石川選手と神谷選手と写真が撮れて超幸せそうな私(緊張してキンミヤ3杯ぐらい飲んでやっと撮れてます)

そして、そんな私は
推しの引退を初めて経験する。

とくに応援している選手の一人、
石川勇希選手が今月12日で引退となった。

私はまだ童貞感が抜けないのもあり、迷いに迷ったが、
後楽園ホールに最後の引退試合を観に行く。

飛行機もお盆で高い時期だったので諦めようと思ったが「後悔ないようにね!」と
周りの友人たちが後押ししてくれた。

いつもプロレスの試合は凄まじい。
プロレスラーは一人で立ち向かい、満身創痍になっても自分の足でリングを降りて帰っていく。
観ていたお客さんに、そのボロボロの身体で感謝を述べてくれる。

心の底から尊敬するし、
大変恐れ多いが、日々勇気をもらっている。
そして自分自身を鼓舞させることができる。

そのうちの一人がいなくなってしまうのはかなり寂しいですが
どんなことがあれども、貰ったものは確かに存在し、揺るがないものだと思います。

幸せになってくれ、と思いながら最後までプロレスラー人生を見届けたらと思います。

つまり
皆さんにも、推し活をおすすめします!

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