彼氏に可愛いと言ってもらえたことなんてない

人は、付き合う相手ができると可愛くなるらしい。
「可愛い、可愛い」と褒めてくれる人ができれば、それは可愛くなれるのかもしれない。
その点で言うと、私は付き合う人を間違えたのかもしれない。

見て貰えば分かる通り、私は顔面を受け入れられない位には容姿コンプレックスを患っている。
マスクなしで人混みを歩くときには、必ず下を向いて顔を認識されないようにしている。

そんな私にも彼氏と呼ばれる存在ができたことがある。
他人の恋愛関係のいざこざに巻き込まれたときに、たまたま声をかけてくれた人がいた為、ちょうどいいからと付き合ってしまった。
友人としては好きな人だったので、これから恋愛感情が生まれるかな?と安易な考えだったと思う。

そんな彼氏は、とにかく私のことには言及しない人だった。
いつも自分の話をしている人。
付き合っているときはあばたもえくぼ、そんなところも可愛いと思っていた気がする。

おかしいな?と思ったのは、高校でのミスコン優勝者の女の子の話題をだした瞬間、明らかに口ごもったこと。
肯定も否定もしないで、すぐさま話題を変えた。
私自身、容姿で判断するミスコンには恐怖を感じていたので、そんな彼を好ましいなと思っていた。

しかし、「絶対に容姿のことに触れない」とする彼の信条が私にも当てはまるとは思わないじゃないか。
出かけた際には、相手の服装や髪型を褒めるのは女子だけの習慣なのだろうか。
「いいね」と言われるために早起きしておしゃれして、そんな私の努力は彼の目には映らなかったらしい。

あるとき、抱えている悩みを打ち明けるフェーズに入った。大層なものではなくて、なんとなく自己開示をしようとした。
私は自分の外見に自信がないこと、彼から褒められたことがなくて不安なことを告げた。
引かれた。
そしてなんとか絞り出された言葉。
「俺が過去に好きだった女の子は、顔が可愛い子では無かったよ。」「可愛い…とは言えないかな。俺、嘘はつかないんだよね。」

第一声がそれか!?
私の顔が可愛くないと認めているじゃないか。私のことを好きではなかったってこと!?
とそのときは気持ちが一瞬で冷めたことを覚えている。

欲しかった言葉がもらえなかったから、も勿論あるが、私は付き合っている相手は問答無用でかっこよく、可愛く見えるものだと思っていた。
私がそうだからである。
世間では美人とされない私の顔でも、少しは愛着を持ってくれていると思い込んでいた。

隠せないほどの容姿コンプレックスを持っている私は、容姿を受け入れてもらえること=好きになってもらうこと、なのである。
あばたもえくぼ、で覆い隠せないくらいに私の顔がブスだってことか。
当時は本当に泣きたくなったが、何とか笑顔を作ってその場を逃げ帰った。
いじらしい。

次に付き合う人は、私の顔を認めてくれる人。
例え嘘でも、「可愛くない」なんて言葉を暗にでも言わない人。
私は、自分がブスだから性格で勝負!なんていう置き換えが出来ない。
それが出来る人は本当に強い人だし、良い人と巡り会えると思う。

いつまでも容姿に執着する私は、将来口だけの男と付き合い破滅するのかな、なんて。
いつか自分こそが自分の顔を褒められるようになりたい

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