これは絶対見ておけ!MCバトル5選
こんにちは!最近NoteでMCバトルやらなんやら紹介しているSATAです
今回は日本のMCバトルにおいて、「これ見ておけば間違いないっしょ!」的な名バトルを紹介していきたいと思います!
バトルヘッズからみたら「にわかファンか?」と思われちゃうかもしれないけど…
「関係ねえ!そうやって新規に対して敷居を高くしてるから広まらねえんだよ!」
というスタンスで、どメジャーなチョイスにしてみました!
「そもそもMCバトルってなんなん?よく分からん〜」って感じの人はこれまでの記事で解説しているのでよかったら見てみてもらえると!
↓↓↓↓↓
R指定 vs 晋平太 / UMB2010
まあこれは外せないでしょう!
いまだに伝説とされる試合で、これをみてMCバトルを始めたという若手ラッパーさんも多いですね!
韻を踏みまくるスタイルの二人の戦いは、再延長にまで続く激戦に!
R指定さんと言えば、今となってはベテランかつテレビ番組にも出演多数の人気者ですが、この時はいい意味でハングリーな若手の雰囲気が出てますね!
試合開始の「お待たせ、ラップオタクの出番だ!」は界隈では超有名なラインですね!!!
個人的に延長戦の晋平太さんの
「シーッ…、静かに…!それだけでその心鷲掴み(わしづかみ)」
の踏み方が好きです!
また、「大阪代表はお前じゃない」と言われた時のR指定さんがアンサーで
「大阪代表が俺じゃないならなんで俺ここに立ってんのぉ〜?」
と煽り散らす感じも好きです!!
この時のR指定さん、生意気だなぁ〜www
(※:ちなみにUMBとは年末に開催される、その年に一番強いMCを決める大会です!地方予選で勝ち上がってきたMCが、地元の看板を背負って参戦することからアツさも最高潮です!)
U-mallow vs S-kainê/U-22 MCBATTLE 3on3 SP 2020
近年の若手バトルもご紹介!
先行のS-kaineさんは仕上がった声と圧倒的なスキルで、同世代では敵無しなんじゃないかと思えるくらい実力のあるMCですね!!
このバトルでも特徴的なビートに対して一発目で音ハメして一気に会場の空気を持っていきます!
S-kaineさんは声もかっこいいしラップもかっこいいし、言うこともかっこいいしステージ上での佇まいもかっこいい…
と、正直この1バース目は非の打ちどころが無いんですよねー、まじでヤバすぎる。
いきなりカマしてきたS-kaineに対し、U-mallowさんも全く引けを取らないのがこのバトルのすごいところ。
相手が低音+ガチガチのフロウで会場を沸かせたのに対し、「1Packから2Packまでスメルで嗅ぎ分けてる〜」と伸ばしたフロウでいなしつつ
「お前がガチガチにするなら今夜もcool down」
と、バッチリ音ハメ!!
さらに「あっち 行って こっち 行って…」と跳ねるフロウで翻弄します。
なんというか、少年漫画で例えるなら
主人公サイドのCoolな超実力若手
vs
相手サイドのトリッキーな能力で掴めない実力者
みたいな見応えがあります!!!
MU-TONvs呂布カルマ / 凱旋MCbattle東西選抜冬ノ陣2020
MU-TONさんと言えば超次元なフロウの持ち主で、ビートに対する音楽性が非常に高いMCです。
対する呂布カルマさんは「対話型」なんて言われたりしますが、バトル中に行う会話が上手いMCですね。
相手のバースの矛盾点を追求して蹴散らす様子から、現役最強MCなんて呼ばれてたりします。
延長にまで続く戦いですが、もう二人のスタイルのぶつかり合いがたまらないですね…!
普段バトルを見慣れない人でも聴いた瞬間にそれぞれが持つスキルが異なるのがわかると思います!
MU-TONさんは現役最強を相手に「正真正銘、ライバル」と言い放ち、
続けて「diridiridiri… このノリ呂布には出来ないから、これで聴いてみて」
と本当に音源みたいに聴き心地のいいフロウに乗せて相手をディスります。
対する呂布カルマさんはまず相手の小節間違いを追求しつつ、
「俺とお前がライバル?空いた口が塞がらない、
同じじゃ無い。俺やることやってるMC、お前と同じにされちゃたまったもんじゃない」
ともうボッコボコに悪口を言い放ちます!!
文章として成立しているのはもちろんのこと、
「ライバル」
「空いた口」(あいたく ち)
とさりげなく韻を踏むスキルもお見事。
現役最強は伊達じゃないですね…!
余談: 今度「MCバトルにおけるスタイルウォーズについて」といった記事も書こうと思ってます!
お楽しみに…
黄猿 vs 鎮座DOPENESS(延長込みノーカットver) /戦極MC BATTLE 第六章
ある程度MCバトルを見慣れてきた人が、ちょっと昔の動画も漁った時に辿り着く動画…って感じでしょうか。
でも最近はラップ好きを公言している霜降り明星のせいやさんが紹介してたから、もしかしたら知名度高いのかな?
いわゆる「フロウ系」と呼ばれる二人の戦いで、両者共にめちゃくちゃフリーキーでメロディアスですね…!
乗るのが難しそうなビートなのにホント凄すぎる。
有名なのは鎮座さんの3バース目、「ye ye ye 雰囲気加減〜」から始まるところかな?
乗せ方がうますぎるのは勿論、声質が神ですよね!聴きごこちがすごく良い。
鎮座さんは音源もフリースタイルも個人的にもうホント大好きなんで、このバトルも何回みたことか…!
これまで紹介したバトルだと各MCが皆エンジンかかってる感じというか、ガンガン相手に噛み付いていくバトルが多かったかなと思うのですが、
鎮座さんの強みはその逆で、いい意味で力が抜けている・脱力している感じが唯一無二の空気を生み出していますよね!!
黄猿さんも素晴らしいMCなのですが、どこか攻めあぐねている印象を受けます。
(鎮座さんの説明ばっかりになっちゃいました…。
他にも色々なバトルを観ていくとわかるのですが、この時の黄猿さんマジでスキルフルでかっこいいんですよね…!ぜひディグってからまた観てみて欲しいです!!)
"AUTHORITY vs MU-TON" UMB 2018 GRAND CHAMPIONSHIP 決勝戦
最後に紹介するのは平成最後のUMBとなったこの決勝戦!!
バトル解説の前にちょっと背景を説明すると…
呂布カルマさんとのバトルでも紹介したMU-TONさんは、この時すでに若手のカリスマ的存在で、ノリに乗ってる状態で参戦されました。
クールなスタンスと、内に秘めた闘志がかっこいいです!
ここまでのバトルでも熱血なバトルMCに対し「ダセえ」と突き放し、決勝まで上がってきた、まさに優勝候補です!!
対するAUTHORITYさんは、当時はまだ今よりもまだまだ無名。
それでも優勝候補と目されていたMCたちをバイブスとスキルで薙ぎ倒し、会場中を味方につけて決勝のステージに殴り込み!
果たして勝者はどちらか…
…みたいな流れが出来上がっていたので、もう現場のテンションは爆上がりです!!
そんな中、AUTHORITYさんは不利とされる先行をあえて選びます!!
ルールに関しても、言葉を続けるのが難しい上にMU-TONさんが本領を発揮する「16小節 ✖︎ 2本」を自ら選択!!
この漢気、痺れますね〜!!
試合開始と同時にAUTHORITYさんは
「Seeda、Seeda、Seeda…、俺が狂ったのはあいつのせいだ」
と、ビートの原曲をアレンジしてサンプリングし、自らがリスペクトする日本の大御所ラッパー、Seedaさんの名前を出して会場を盛りあげます!
そしてMU-TONに対してもリスペクトを送りつつも、相手の土俵に乗った上で勝ちにこだわるスタンスを崩しません!!
対するMU-TON、
「TAIC JAG-ME EMINEM 2pac… 俺が狂ったのはアイツらのせいだ!」
と、こちらもサンプリングしつつ、
異なるアーティストの名前を挙げることで、ルーツとスタンスの違いを示します。
「本田Beatsで俺と輪入道とをやらせなかった罪は重いぜ!!」
というのは、BEST4でAUTHORITYさんが強豪の輪入道さんを大番狂わせで倒したことに対するバースですね!
前年のUMBでMU-TONさんと輪入道さんは、激アツな試合を繰り広げました。
本人たちも会場もこの二人の再戦を期待していたところ、AUTHORITYさんが上がってきたことで幻となってしまったことに対する怒りをぶつけます。
対するAUTHORITYさんのアンサー
MU-TONさんの二つ名が「小峰の忍者」だったことと絡めつつ
「俺はステージだったら悪者扱い でも忍者じゃなくてさ、ラストの侍!」
と対比する返し!!意味も通ってるし韻も踏んでるし対話として素晴らしい!!
そしてグルービーなフロウを武器にする反面、相手へのアンサーや対話がおろそかになる傾向のMU-TONさんに対し
「ノリだけで詰まってねえんだよ メッセージ内容!!」
と言い放ちます!!
ビートに対してクールに乗りこなし、シーンを変革させ、人気を獲得してきたMU-TONさんに対してここにきて直球のDis!
決勝まで熱い対話で上がってきたAUTHORITYさんが言うことで説得力を持ちますね…!!
そして後攻のMU-TONさんのバースへ。
相手のDisに対して
「そんじゃ見せてやるよ メッセージ性? へっへっ死ね」
と、全くブレないスタンスを貫きます。
さらに相手へのアンサーとして
「確かにもう忍者とは言えないな、 だって1番目立っちゃってんもんな!!!!」
と叫び現場をブチ上げます!!
かつてスーパールーキー的な立場だった自分自身が、いつの間にかバトルシーンの顔としてUMBの決勝まで上がってきていることが証明と言わんばかり。
これもMU-TONさんが吐く言葉だから説得力を持つバースですね!!
映像にも写っていますが、このバースの破壊力に、AUTHORITYさんは少し心が挫けたような表情を見せます。
すかさずMU-TONさんは
「"あーっ…"って顔してる それやるなよ! 自分で諦めたのと一緒じゃねぇか!!」
と突き刺します!!
っていうかここまで解説書いてて改めて思いましたけど
MU-TONさん、めちゃくちゃメッセージ性あるじゃん!!!!!
アツすぎ!全然ノリだけじゃないじゃん!!!!
これにも完っ全にくらってしまったAUTHORITYさんに対し、
「また"あーっ…"って顔した、 2回目 やめとけ、 王手!」
と、さらに追求するMU-TONさん。
最後はグルービーなフロウに乗せて
「音の鳴る方へ…、TRI MGU'S CARTEL 飛車、角、王手!!」
と、韻を踏みつつ締めます。
これは完全に決まったかな、と。
勝者はMU-TONさんで、この年のUMB優勝を飾りました。
ね、面白いでしょ?
ああ〜、コンパクトにまとめようと思ったのに長くなってしまった!
でもMCバトルの面白さは伝えられたんじゃないかなと思います!
興味持ってもらえたかな?
単なる言い合いだけでなくそのMCが背負ったバックボーンとか過去の因縁、即興のアクシデント…など、様々な要素を瞬時に盛り込みながら言葉を吐いていく様子は、音源とはまた別のライブ感が味わえます!
最初は聞き取れなくてもOK!それにYoutubeだと心優しい方がコメント欄に字幕を書いてくれてる場合もあるので、ぜひCheckしてみてくださいー!!
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