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#41 この一週間

 だらだらと終わる八月。だらだらと始まる九月。そんな二ヶ月が怖くて、八月最後の三日間と、九月最初の三日間にnoteを更新しようと決めた。いつもと違う八月にどうにか別れを告げるために、九月には初速をつけるために、書きたいことと向き合った。いざ書き始めてから、プラス一日で一週間じゃん!、と気づき、今これを書いているという訳である。


 誰かに強いられたルールというのは効力がない。どうやってずるをしようか、どうやって破ってやろうか、やってやろう精神の僕はそんなことをばかり考えてしまう。ただ自分が決めたルールというのは、強制力がなく、簡単に忘れてしまってもいいのに、こんなにも僕を苦しめた。建物には右足から入ろうとか、電車の吊り革には掴まらないでいようとか、馬鹿馬鹿しくて笑ってしまった。守らないと!、その気持ちだけでこの一週間を絞り出すように乗り切ることが出来た一方で、毎日noteを更新している人は何をそんなに書くことがあるのかと不思議に思ってしまった。つまらない人生には文章にして残せることもない、ということなのかと自分にがっかりもした。


 この世界は文字で溢れている。この世界は考えて溢れている。だから、何を表現するにも、何を考えるにしても誰かが辿った線をなぞってしまうことになる。人と違う自分になるには常に新しさを求めていかないといけないけれど、それほど難しいことは他にはないだろう。特に文章では模倣ということが多くなってしまうように思う。

 照れくさくなってしまうような熱いセリフも好きなキャラクターが言っていたら胸を打つものになる。お馴染みのフレーズも好きな音楽に乗っていればお気に入りのものになる。僕は、文章単体だけで誰かに好かれるということの難しさをとても感じている。ましてや何者でもないこの僕には。

 文章力の問題ではない。文章力があろうがなかろうが、読みたくなる人と別に読まなくてもいい人というのを無意識的に人は分けている。その差は何なのだろう。この一週間とても考えさせられた。どうしたら読んでもらえるのだろう、そんなことばかりを考えた一週間だった。そして、おそらく、「自信」と「魅力」が大切なのではないかと思った。


 今更ではあるが、『Nizi Project』を観た。『Nizi Project』というのは、簡単に言うとアイドルデビューを目指す女の子たちのオーディションからトレーニング、そしてデビューまでを撮影したドキュメンタリー番組である。ご存知の方も多いと思うが、良いパフォーマンスが出来れば「キューブ」というものを貰えて、Part 1では、ダンス審査、歌唱審査、スター性審査、ショーケース(決められたグループで決められた曲をパフォーマンスする)審査と、四つの審査の中でキューブを四つ集めることができれば韓国での選抜合宿に参加できる、というものである。その中で僕は一人の子が目に入った。

 それまでは全くノーマークで、一つもキューブを持っていなかったその子は、最後のショーケース審査において最高のパフォーマンスをして、いきなり三つのキューブを獲得した。他の一つもキューブがない子は、どうせ…と自信を無くしていく子が多かった中で、その子だけは諦めず努力して、自信を持ってパフォーマンスをした。それを観た時、あっという間に心を奪われた。文字通り輝いていたその子を応援したいと思っていた。

 誰かを魅了できる力というのは才能だと思う。生まれながらにして持っているものでもあるし、努力で手にすることもできる才能。彼女は完全に努力をして勝ち取った。その中で彼女は、自分はできるという自信を忘れていなかった。謙虚な形で伝わってくる自信は観ている僕らにも同じような自信を与える。この子なら出来そう、だから応援をしたい、もっと見たい、もっと知りたい、というように魅了されていくのだと思う。

 「負けたくないです」というよりも「勝ちたいです」と言う子を、元々の実力の違いはあれど、それよりも自分をちゃんと表現している子を、自分のことを特別だと思っている子を応援したくなる。アイドルの世界では尚更、自信に満ちている方が輝いて見えるのだ。


 もっと魅力的で自信に溢れている人にならなくては、そう思わされた番組だった。今の僕は、出どころ不明の謎の自信は持ち合わせている。毎回noteを書く度に、これはいいな〜!と思っているし、毎回分からない何かを変えられると思っている。過剰な自信はかえって不安に思わせてしまうことを知っているので、あくまでも謙虚でいたいと思っているが、本当に毎回それだけワクワクした気持ちでnoteを投稿している。

 どうにかして魅力的になってやろう、と今は日々足掻いている最中である。何を書くかももちろん大事だが、誰が書くかの大事さも知った一週間だった。僕はまだこの人が書いたから読もうという段階には到底至っていないため、相対的な価値を得るためにただ継続して頑張るだけである。

 ただ、心の中では、みんなもう少し読んでくれてもいいのになと思ったりもしている。そんな僕を許して欲しい。


 この一週間の投稿を一つでも読んでくださった方、本当にありがとうございました!また、書きたいことがあったらnoteを投稿するので、これからも読んでくださると嬉しいです。もっと頑張ろうと思えるような一週間になりました。この一週間を忘れないようにしたいです。

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