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『恋じゃねえから』5巻

うーーわーーー。
なんかもう
うーーーーわーーーーー。

性被害と芸術について。
無意識や無配慮が人を傷付けること。
家族の関係。親の介護。子どもの教育。
悪意の無い噂。考えの無い誰かの一言。

いちいち全てがしんどくて、でもたぶん実際そうで、色々と言葉を重ねて真面目に議論するべきことなんだろうけど、どうしてもまずは「うーーわーーー」と思ってしまう。
世界はなんて生きづらい。
その中で生きていかなければいけない理由はなんですか。
あの、なんちゅうか、もう少し飴多めに頂けないでしょうか。
胃が痛いっす…

相変わらず各話のサブタイトルになるような(それこそ「恋じゃねえから」的な)無理せずに短くもまとまった台詞はキレキレです。

ちょうど昨日読んで食らった「それでも天使のままで」でも教師と生徒の恋愛(?)が描かれていたので、なんちゅうかそれもタイムリー過ぎて。
あーでも、うーんでも、ああああ。
甘美な物語という幻想に逃げているのか。でもそれしか救いがないのなら仕方なくないか? そんなこと言ってその救いは誰の目線? 本当は相手はどう思っているかなんてわからないじゃないか。勝手な物語の押し付け? 自己満足? でもそれが相手にとっても救いになるかもしれないじゃないか。それはただの独りよがりの正当化? 大人の責任? 恋とは永遠じゃなく一時の感情でしかないのか。ならそこに救いを求めちゃいけないのか。だったらどこに救いを求めればいい? 救われたいと思ってはいけない?
自分を持って真面目に頑張ってとってもしっかりちゃんとして物語に流されず前向きに現実を見据え間違いは自省しつつ1歩1歩確かに歩んでいけばいい?
ごめんだけどそんなに強く生きらんねぇよ。
ここまで生きづらい世の中を、それでも生きていく理由ってなんなんだろう。
「感情の赴くままに」でキレイな青空に向かって笑顔で走り出しては終われない漫画だろうから、更にそこが気になってしまう。
それでも「美しい瞬間」があるんだろうか。
それでも「生の充実」を確かに感じる瞬間があるんだろうか。

とにかく読むだけで全方位に色々頭使って思いを伸ばして考えてしまう漫画なのは間違いないです。
それこそ「あなたはどう思う?」とか意見を交わしあったりするのが凄い大事な漫画だろうなぁとか。
パートナーと一緒に生きていくような人とはこの漫画をふたりで読んで意見ぶつけあったりするといいかもしれないとかも真面目に思ったり。

でもどこかで「ページめくったら見開きでトラック突っ込んできて次のページで世界バーンってなって終わらねえかな」とかも少し思ってしまう。
そんなん言ったら怒られそうだけれど。

そうなんだよなー。怒られるの怖いよ。
この漫画読んでると、自分は絶対「怒られる側」だろうなと思ってしまうので真面目にものが言えなくなってしまう。



でもこんだけ思考を促されてしまうリアリティは凄いと思います。
いい漫画であることは確実です。是非。

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