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『平成敗残兵☆すみれちゃん』1巻

面白い!

売れなかった平成アイドルがいとこにノセられる形で同人グラビアデビューして…ってお話。

で、お話は確かにそうなんだろうけど、どんな漫画かは幾つかパターンあるよなぁと読む前に思っていて。
「ほぼヤッてないだけのエロ漫画」みたいなのとか、「30代ダメダメ女子自虐を無駄に押し過ぎるギャグ系」とか、それだったらあんま好きじゃないなーと思うパターンも結構あったんですけどちょっと迷って購入。
買ってみた一番の理由はタイトルでした。
おもろいタイトルだと思うし、「このタイトルをつけるセンスの人なら大丈夫なんじゃね?」と思って。

そしたら結果大正解でした。好き!

すみれさんもイトコの雄星もいいキャラしてる。
そのうえで「同人グラビア」という、存在はなんとなく知ってるけど漫画の題材としては見たこと無いシチュエーション。
単純に「へーこういう感じなんだ」という知らん業界物としても面白かったし、界隈のリアリティも説得力あるし。
何より「なんも持ってないヤツでもチャンスを掴める」「四畳半の部屋にスマホのカメラ。あとは知識とSNSさえあればいい」っていう、それだけを武器に人生のリベンジマッチを挑んでいくのは凄く今っぽい題材で面白い。
すみれさんが作中でちゃんと全うに「美人」として扱われてるのもいい。

でも一番良かったのは雄星の「カッコ悪くいてほしくない」って台詞。

これ一発で雄星の本音がわかるし、このふたりをちゃんと応援したくなった。
題材は確かにエロだけど、全体的に、なんちゅうか「生理的にキモく感じる男っぽ過ぎるエロさ」を意外と感じない。
だからこその読みやすさはあるけど、逆に「そんなことあるかぁ?」とか疑問に感じちゃってた部分もあったけど(実際のイトコの距離感ってどんなんよ?というのはわからないけど)、でも雄星が上記の台詞のスタンスなら理解できる。
「憧れ」なんだ。
ならいい話じゃないですか。

後半で登場した業界界隈のプロっぽい連中もキャラ立ってるし、ここからちゃんと発展しそうだし面白くなりそう。人生のリベンジマッチとしてすみれさんが前のめりになっていく展開も見たいし、続き楽しみ。
にしてもこの作者さん、男性か女性かどっちなんだろうか。普通は漫画読んでると結構わかるもんなんだけど、ちょうどわかんない。たぶんいいバランスってことなんだろうな。

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