『放課後ひみつクラブ』6巻
もう個人的には鉄板漫画。
絶対に面白いし絶対にちゃんと笑える、令和に生き残った「ギャグ漫画の良心」。
蟻ケ崎さんの情緒が巻を増す毎にぶっ壊れていってて最高です。
どんなにサブキャラが出てきても「一番頭おかしいのは蟻ケ崎さん」ってとこは守られてるのもとってもいい。
ちゃんと「地獄行き」判定になってるヒロインもなかなか珍しい気がする。
あと美少女ヒロインが出てくる学園物だけど「下ネタが完全にゼロ」なのも好感です。
個人的に別に下ネタが嫌いなわけじゃないけど「安易にちょっとだけやる」くらいなら「1個もない」方が全然いい。むしろ漫画としての個性と空気感がハッキリする。
どの話も面白かったんですけど、個人的に大好きだったのはギャラリーフェイクのパロディ回。最高。
最近のアニメとか漫画のギャグでやる「パロディ」って、ただ単に別の漫画のキャラの扮装をしたり、有名な台詞をそのまんま言ったりするだけのパターンが多くて、それ好きじゃないんですよね。
それって「パロディ」じゃなくて「コスプレ」だろうと思ってしまう。
(やってる側は楽しそうだけど端から見ると別に面白いもんでも何でもないのもすっごい「コスプレ」っぽい。ちゃんとしたプロじゃなく素人がやる「コスプレ」)
「やるだけ」じゃなくちゃんと笑えるもんにしてほしい。
その点、放課後ひみつクラブのギャラリーフェイクパロディは、「ノリ」や「展開」を完コピしてるのが素晴らしい。
どっか1ヵ所「マネしてみました」ってんじゃなく全部やってやがる(特にフジタの扮装とかしてないのもいい)。
上の画像の「対決シーン」のコマ割りとか、「ちょっとムチャなバトル展開なのに何故かノリノリなフジタの感じ」とか「あああー! あるあるある!」ってのを再現してくれてるから楽しい。
パロディ展開自体も段階踏んで徐々にそれっぽい流れになっていってるので、仮にギャラリーフェイクを知らない人でも「なんかそういう対決漫画みたいな空気」を蟻ケ崎さんが勝手にやり始めたっていうギャグにちゃんと見えると思うんですよね(「ギャラリーフェイク」は知らんでも「美味しんぼ」はわかるだろうし、「なんかそーゆー漫画」ってのは雰囲気で伝わるだろうという)
つまり「そのキャラやシーンを知っていないと意味がわからない」っていうコスプレ展開にはなっていないし、知ってたら知ってたで「完コピっぷりに笑える」ってギャグになってると思う。
このバランス感覚が自分が『放課後ひみつクラブ』を「ギャグ漫画」として好きなポイントのひとつだなぁと。
あと単純に、「ここまで完コピ出来るってことは絶対『ギャラリーフェイク』好きじゃん」ってのがね、まぁ嬉しいやね。
いいよね、『ギャラリーフェイク』。大好き。
でもパロディしてる奴は初めて見たよ(「こんなん見たこと無ぇよ」ってのもギャグ漫画にはとっても大切)
まぁもう面白いの確定してる鉄板漫画なんで、今後も好き勝手やってほしいもんです。
現状の「伏線」の使い方の超テキトーな感じとかも大好きだから、変に頭良くなったりとかしないでほしい。
いつまでも「ギャグ漫画」やってておくれー。
この話数またぎの「超テキトーっぷり」。
大好きと言わざるをえない。
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