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3年ゼミ#19 自分軸と利他

福岡テンジン大学の岩永さんがゼミに話に来てくれた。

どんな大学?って話だけど、こういう大学みたい。

福岡テンジン大学とは「まちがキャンパス」。この大学には校舎がありません。“まち”全体がキャンパスとなり、 学びの場となります。この“まち”の誰もが生徒になることができ、誰もが先生にもなることができます。人と人が学び合い、つながっていく、コミュニケーションの輪が広がるプロジェクトです。
福岡テンジン大学とは
この「まち」のいいところと「大学」のいいところ、どっちも取り入れる。

ときにはカフェで、ときにはバスで、ときにはビルの屋上で、ときには神社で。福岡のまちのあらゆる場所が教室に。多様なテーマの授業では、先生も生徒も、一緒になって対話し、つながり、学び合う“場”に。

https://tenjin-univ.net/about/

詳しくはサイトを見たらもっと色々わかると思うけど、20〜40代を中心に原則無料で様々な授業を開催しているみたい。いま募集があってるのはこの2つ。

様々な分野の授業が開かれている福岡テンジン大学。これを開いたのが話に来てくれた岩永さん。

たくさんの話をしてくれたけど、2つの話をここに残したい。

キャリアデザイン

「個人のキャリアは、予期しない偶然の8割で形成される」という計画的偶発性理論(スタンフォード大学・クランボルツ教授?)を聞いた。コレは岩永さん自身の今までの経験からもこの通りだなと感じているらしい。

そんな偶然というチャンスをつかみ取るために大事なこととして、知識・態度・スキルの向上に励む必要があると教えてくれた。そして、見失ってはいけないのが多くの場合、人的資本(自分の力)の向上に力を入れがちだということ。もちろんコレも大切で、20代の体力のあるうちは最重要と言ってもいいけど、あと2つ大事にしないといけないものもある。それが金融資本社会関係資本

金融資本とは平たく言えば、投資が大事だということ。自分では完全にコントロールすることが不可能なものに少額でもいいから投資することで、お金から社会の流れを含む自分ではどうしようもできないこと(外的要因)について学べるということ。

社会関係資本は、誰とつながるかということ。特に40代以降など人的資本の向上が厳しくなってきた(体力、価値観などで)ときにこれが代わりになる。

人間関係の考え方

2つ目の話は人間関係のこと。岩永さんは人間関係の考え方として、
・他者を軸に置かない(何でも相手のことばっかり)
・自分を軸に置かない(自分のことだけ)
・間に軸を置く(真ん中というわけでもない)
・お互い様の意識を持つ(自分も相手も迷惑をかけたりする)
と教えてくれた。

一個俯瞰してみるというか、客観的に見るというか。そんな感じ。自分軸にしか置けていないと、「なんであいつは〜💢」みたいになってしまう。そうじゃなくて、「自分もこういうときあったよな」という捉え方ができるだけで摩擦が減って人間関係がラクになる。

これ、利他にもつながってくるなと感じた。ちょうど「思いがけず利他」という本を読み終えたばっかりだった。

この本の中に、利他が認められないと心の中から利己が出てくるという話があった。

持病があって食べられないものがある人が食事に呼ばれた。そのときに、誘ってくれた人が「ここの◯◯おいしいんですよ」と紹介してくれた。相手は食べられないものがあることを知っていて、「コレは食べられないんですよ」と断っても「少しだけならいいんじゃないの?」という風に催促してくる。結局少し気まずい雰囲気で食事会は終わった。かいつまんで話したらこんな感じ。

大事なのは、誘った側に最初は利他の心があったということ。自分が美味しいと思ったものを食べてほしい!と思ってわざわざ面倒な予約までして招待してくれている。でも、それが相手に受け入れられないと「少しくらい」と自分の利他を受け入れさせようとする。これはもう支配であって利他とは言えないよね。利他は利他を行ったときには発生せず、それを受け手が受け取ったときに発生する。

自分軸で考える人だと、利他的な行動が伝わらないときに怒っちゃう(本来の欲望、支配が発生する)んだと思った。だから、自分を軸においてはいけない。

また、お互い様の意識を持つもこの本に書いていたことと同じようなことだった。多くのことを自己責任と言って見放すけど、自分が責任を取る側になる可能性はなかったのか?みたいな話。

もっと言えば、最終章には偶然の話がこの本には出てくるわけで。そういう意味で、読み終わった本の話を早速今日実際に話されたという偶然を僕も生かしていきたいなと思いました。

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