見出し画像

優しさは余裕

家族がはじめての全身麻酔の手術を受け、「せん妄」状態というのを目の当たりにし、看護師長さんから「こういう時にわけもわからずドレーンや管を抜いてしまう患者さんが多いんです。できればご家族がそばにいてください。そうすることでこういう状態はすぐに抜けられます」と伝えられた時、はじめて経験するショックを受けました。

「また病院に行って泊まらないといけないのか」「このまま元に戻らなかったらどうすればいいんだろう」とぐるぐる考えながら、病院からバスに乗って30分近く揺られて駅に着き、電車に乗りました。

ベビーカーに乗った元気な1歳くらいの赤ちゃんと、そのお母さんとおばあちゃんが楽しそうにしていました。

でも、同じ年頃の甥っ子ができて、赤ちゃんがみんなかわいく見えるようになったにも関わらず、うたたねしているわたしは思いました、「うるさいなあ。。。早く降りないかな。。。」と。

最寄の高円寺駅について、朝から何も食べてなかったので、駅北口の「ニューバーグ」に行きました。子供の頃から食べているだいすきで安くておいしいハンバーグ屋さんです。食欲なんてなかったけど、羽海野チカさんが「困っている人がいたら、とりあえず何かを食べさせる」と書かれていたことを思い出して、店に入りました。

カウンターだけの店内で食券を買って、「メキシカンバーグ」にしました。10分も経たずに鉄板に乗って出されます。ちょっとスパイシーなソースのハンバーグに、目玉焼きとプレーンなスパゲティとミックスベジタブルがつけあわせで、ごはんとおみそ汁がついてます。子供の頃と何も変わりません。値段は少し変わりましたが、それでも530円です。一口食べてからは夢中で食べました。お腹いっぱいで店を出て、一日駐輪場に向かう途中、大粒の雨が降ってきました。5分程度でも濡れるだろうなという雨の量でした。

「この状態がずっと続くわけないよね。雨だっていつか止むしね」と、お腹いっぱいのわたしは、そう思えました。

駐輪場を出て自転車に乗り、すぐの角を曲がった時、イライラした様子で携帯で電話しながら自転車をこいでいるお母さんらしき人が向かいからやってきました。同じく右からやってきたパトカーにアナウンスで注意されました。

そのお母さんらしき人はわたしにも聞こえるくらい大きく「チッ!!」と舌打ちしました、パトカーをにらみつけて。

それを見た時、「ああ、さっきまでのわたしだ」と思いました。

人を許せることが優しさに含まれるなら、優しさは「余裕」です。それは金銭的にとか地位的にとか、境遇が恵まれていることだけでなく、心の中に「余裕」をどれだけ持っているかです。それが目減りした時に、どういう方法で「余裕」のゲージを満タンにして、自分を楽にできるかです。

人に優しくできない、許せない時は、自分に優しくしてください。そして「余裕」のゲージを満タンにできる、自分にあった方法をいくつかわかっていると、楽になれますよ。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?