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ゲーマーアスリートは可能だろうか

昨年春に、フロム・ソフトウェアからSEKIROというゲームが発売された。僕はこのフロムというメーカーが作るゲームが大好きで、全く新しいコンセプトで開発されたというこのSEKIROも非常に興味があった。が、自制していてもついついやり込んでしまう性格なので、トレーニングが疎かになるのを恐れて、しばらくはガマンしていた。だが、結局のところ、夏にPC版をDL購入。webに続々と上がってくる高評価のユーザーレビューを見ていて、ガマンできなくなったわけだ。

ちなみに僕のゲーマーとしてのレベルというか、中毒度というのは・・・「ヘタレガチゲーマー」とでも言っておこう。ヌルゲー、ユルゲー、ガチャゲーは大嫌い(スマホゲーは基本滅びてもよいと思っている)、高難度タイトルを選びはするが、そこでマニアな連中と対人戦で渡り合うところまではやれない。ってかやつら怖すぎ。ゲームの仕様によっては、強制的に対人戦に突入するが、マジでブルブル・・・

SEKIROは、最高だった。子供時代を含めても、僕のゲーム歴のベスト5に入ると思う。ここ20年では1,2だ。操作性、世界観、爽快感、達成感、グラフィックの美しさ、どれもが高次元で絡み合い完成されているという印象。難易度はかなり鬼畜なので、万人受け狙いのゲームではない。最初の中ボスで何十回も死んだ人は多いハズ。手に汗握る死闘を制して、ボスキャラを倒したとき、アドレナリンのほとばしる達成感と同時に、生涯の宿敵が死んでしまったような喪失感まで味わえる。そんなゲーム。くどいがもう一度。最高だった。

だが、案の定、身体に不具合が出てしまった。昨年末に気づいた「スランプ」は多分コレが引き金だったのだろうと思う。ただでさえ忙しい夏の時期、仕事とハードトレーニングと両立するだけでかなり精一杯のところ、睡眠時間を削ってゲームしてたのだから、自業自得である。わかってはいた。が、面白すぎてどうにも。僕の好きなジャンルのゲームは、特に神経を興奮させ、緊張させ、脳内麻薬を分泌させるようなものだから、なおさらだと思う。冬になって不調に気づき、過去の睡眠データなど(アプリで管理してる)を遡って分析したところ、夏の後半から不眠症気味だったことがわかった。自律神経失調症だ。

アスリートとして恥ずべきこと(社会人としてもかw)として、反省している。が、後悔はしていない。完成度の高いゲームは、絵画や小説などと同様、芸術作品だと思っている。人生に潤いを与えてくれると思っている。ただ、好きなものが2つある時、どちらかを選ばなければならない、という状況はある。残念だが、アスリートとして「もっと上」を目指すなら、今後ああやってゲームに熱中する楽しみは、諦めなければならないというのが結論。何かを経験するチャンスは、別の何かを諦めることでしか掴めない。子供の頃、「何もしないでいるなら何かしろ!」と言われたものだが、それですら、「何もしないという経験」を放棄しなければならない。ああ。好きなこと、やりたいこと、全部できたらいいのにな。でもきっと、それを諦めてでも注ぎ込むからこそ、輝くものもあるってことだな。仕方がない、どっちか選べと言われたら、走るほうが楽しいのだから。

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