「アレクサvsシリ」を読んで


表題にあるように、音声認識AIの「アレクサ(Amazon)」と「シリ(Apple)」の熱い開発競争を記したノンフィクション──と思いきや、開発の経緯は早々にまとめられている。それだけ知りたいなら、3分の1ページで読了可能。むしろメインは別にある。

「音声認識AIがどのように生まれたか」から始まり、「どのように育てていったか」の学術記録が大半を占めている。音声AIを一般に広めたのはシリの功績だけど、声紋をデータとしてコンピュータに読ませ、”返答”できるように開発した研究者たちは、あまり知られていない。開発者たちしか知らない熱い記録が記されている。

文系なら前半の「リリース競争」が読み応えあるはず。ジョブスがシリの開発元を買収した話なんか、伝説的な先見の明と触れ回りそう。理系なら後半の「開発競争」に心をひかれるはず。

「アレクサvsシリ」で学べるのは、「音声AIとは何か?」「音声AIに何ができるのか?」を専門的に学ぶための”一歩”としては良著だと思う。


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