インド2023年登録特許件数

昨年、2023年の9月に「インドにおけるバックログの現状」として、2023年における特許登録件数の大増加についてご紹介しました。2023年の9月が始まった時点でインド知財庁データベースInPASSのデータを集計したところ、既に2022年の1年間の登録件数と並んでいることを報告しました。

ところで2024年もあっという間に2月になってしまいました。そろそろ2023年登録案件がもれなくInPASSデータベースに収録されたことと思います。最新の状況を調べてみました。

■ 登録件数推移

2023年9月から12月までの4か月に登録された案件数の前年同月比率は、
9月 246%
10月 375%
11月 435%
12月 536%
と「異常な」、あるいは「異様な」と言って良いほどの躍進です。2023年1年間の登録件数は2022年の登録件数の2.5倍という飛躍でした。

グラフで紹介するとこんな感じです。左側の棒グラフが2017年以降、各年に登録された案件数の合計です。右側は各年の月ごとの登録件数折れ線グラフです。2023年の前半は、前年を若干上回る程度の件数だったのですが、その後毎月のように加速し、天井を突き破るようなカーブです。

■ 経過期間:出願~登録

続いて2003年~2023年までの21年間に登録された案件について、出願から登録まで何年を要したのかを表すバブルグラフを紹介します。

出願から登録までの経過期間が2年ほどの案件の件数バブルは、さほどの成長を見せていませんが、登録までに3年~9年を経過したバブルが顕著に巨大化したことがわかるかと思います。

2023年に登録された案件の中で、登録までに10年以上の期間を要したバブルの大きさが、前年度と大差ないことがわかります。異常な長期間バックログ(審査滞貨)として放置された案件が、かなり解消されてほとんど残っていないのかもしれません。


このようにインドではバックログ解消が、国の狙い通りに進行しているようです。取り急ぎ、知財庁データベースから垣間見る、バックログの現状について最新状況をご紹介しました。

アジア特許情報研究会/アイ・ピー・ファイン 中西 昌弘