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片岡秀太郎さんを偲ぶ

歌舞伎俳優の片岡秀太郎さんがお亡くなりになられました。

秀太郎さんは、いつでもどの演目でもお芝居を実に楽しそうにやっておられました。その楽しさが見ているこちらにも伝わってきて、気分を明るくしてくださる。そのような訳で大好きな役者さんでした。
昨年の2月に、歌舞伎座でお父上の二十七回忌追善興行を兄の我當さん、弟の仁左衛門さんはじめ松嶋屋さんの皆さんで行うことができたのは良かったと思います。そして、私にとってその興行が秀太郎さんの舞台を拝見した最後となってしまいました。

秀太郎さんといえば忘れられないのが20年ほど前に起きたとある出来事です。秀太郎さんのお宅に泥棒が入ってしまい、そのことがテレビ番組で報道されました。その時、秀太郎さんは泥棒に縛られた時のことを詳細に、身振りを交えて語っておられました。今思うと、恐怖に襲われる状況でそこまで泥棒の様子を観察しておられたところが役者さんだ…と思います。
このこと、東京新聞1面のコラムにも書かれていました。文中に書かれている通り、松竹座で「仮名手本忠臣蔵」の通しをやっていた時(1999年3月)でした。

…ともあれ、これからあのゴキゲンな秀太郎さんのお芝居が見られなくなるのは実にさびしい限りです。
ご冥福をお祈りします。


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