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鉄雄の体の変化から感じる生命力と儚さ

そういえば2023年の1投稿目は、映画『ブレードランナー』の感想だった。

そして2024年の1投稿目(…というか、2024年に観た映画1本目)は偶然にも『アキラ』だ。

いつか観よう観ようと思いつつ、なんとなく観ないまま40歳の背中が見えてきた今日。
夫がバイクに乗ってくると家を飛び出した元日の午後14時から、ネットフリックスで視聴。

いや〜…1988年にこんなアニメ映画が作られていたのかと驚いた。

鉄雄の体が暴走し、筋肉一つ一つが意志を持ったかのように膨張していく様を観て、もし生命の進化を早回しで眺めたらこんな感じだったのではないだろうかと思った。いや、あらゆるものをのみこんで外へ外へと体が広がっていくさまは、生命ではなく宇宙のほうが近いかもしれない。

そして、栄養を取り込みながら広がっていく菌糸のようにも、早回しで眺める植物の芽吹きにも見える。

「生命の神秘」なんて言葉があるように、これらの変化・成長はポジティブなものとして捉えられることのほうが多いが、見ようによってはおぞましいものにもなりうるのかもしれない。

そしてそれは鉄雄だけではない。すべては表裏一体。
私たちが美しいと思っているものも、近づいて眺めたら不気味かもしれないし、
おぞましいと思っているものは、引いて眺めたら輝いて見えるかもしれない。

そして目に焼き付いて残るのはバイクのテールランプの残像。
時間とともに消えてしまう光の残像から、儚く消えてしまう生命のむなしさが感じられた。

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