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5月2日高尾山に登った

今日も妻は仕事、子どもは学校に行くため、僕は一人で出かけることができた。家族をおいて、一人で出かけるなんていうカードを使える日は年に片手ほどもない。

今日は親友と登山に行った。

電車を乗り換え、高尾山口駅に行く。高尾山口は木造建築の非常にラグジュアリーな造りで、トイレがとてつもなく綺麗だった。

今回初めて知ったのだが、親友は中学校時代に登山部に所属していて、2,000m級の山にも登っていたとのこと。僕は低い山をたまにトレイルランをしに行く程度なので、走力にはだいぶ差がある。

まずは高尾山の頂上を目指し、それから縦走していくことになった。高尾山の頂上までの道はとてもきれいに整地されていて、ゆっくり歩けば恐らく誰しも難なく歩けるようなコース。実際、大した装備もなく、カジュアルに登る人たちがちらほらといる。

今回、僕は新年に買ってまだ履けていなかった、ホカオネオネのスケープ・ゴート4で登った。前日に試し履きしてみたのだが、何となく甲が当たっている気がして、サイズがあっていないのではないか、と心配になっていたが、実際の登山では問題なく歩けたし、何なら下り道で走ったりもしたけど、しっかり足にフィットしてくれた。グリップ感も良かった。

道程は、高尾山〜景信山〜陣場山〜藤野駅で、20キロ位の走行距離だった。もう少し歩きたかった気もするけど、それくらいで終わるのがちょうどいいよね、と帰りの乗り換え駅で、蕎麦とレモンサワーで遅い昼食を取りながら、二人で話す。

20キロ歩いた


遅い昼食

5時間位一緒にいても会話は途切れない。これってなんなのだろう、と不思議に思う。無理に何も話そうとはしていないし、テクニカルな返答とか応答とかも何もしていないけど、会話はずっと続く。たくさんの話をした。色々なテーマに及ぶ会話だった。

今回は登山、というよりもスピードハイキングみたいな感じだった。それでも登山に慣れていない僕は、登りのときはとてもきつかった。何度も立ち止まりたくなったけれど、前を歩く親友の後を追った。一人で行くのと、二人で行くのでは、行動の制限のされ方が異なる。それは広がるときもあれば、縮まることもある。でも、それはとても良いことだと思う。

今度はもう少し標高の高い山に登ろう、と言われる。それに向けて僕は、鍛えなくてはならない。登りがあまりに苦手なので。

荷物をあまり重くしたくなかったので、いつもであれば移動中にタブレットや単行本を数冊持っていくのだけれど、今日は文庫本一冊にした。前日に何の本を持っていくか、数十分悩み(つまるところ、僕は準備とか、何の本を持っていこうか、とか、なんの曲を用意しようか、みたいなことがとても好きなようだ)、20年位読み直していない、保坂和志の「その人の閾」にした。大したことは何も起きない、昔のことを思い出したり、そしてそれを今につなぎ直したりしている小説。帰りの電車で、披露とアルコールでうとうとしながら僕はこの本を読んだのか見たのか、とても曖昧ではあったけれど、午睡と陽光と淡いアルコール分のなかで緩やかに広がるこの小説の会話がとても気持ちよかった。

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