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Kaori Hada

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中学2年生の羽田香織さんが院内学級の国語の授業で書いたエッセイ。原文は点字。佐瀬が墨訳。
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桂枝雀さんのファンになった理由

桂枝雀さんのファンになった理由

                 大阪府立盲学校 中学部2年 羽田香織
 

 私が枝雀さんの名前を知ったのは去年の2月に入ってからのことでした。でも、落語を聞いてファンになったのは、ずいぶん前からです。
 

 3年ほど前初めてテレビで枝雀さんの落語を聞いたときのことです。私は小学校に上がった時から落語が好きで、しょっちゅう聞いていました。でも、それまで話している人の名前なんて別に気にしたことな

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大阪のユニークな人たち

大阪のユニークな人たち

                 大阪府立盲学校 中学部2年 羽田香織

 大阪には、ユニークな人が結構います。いくつかの例をあげてみると、まず、うちの母がそうです。母は、私を車に乗せて学校まで送っていくのが日課でした。普段、家で家族としゃべっているときの母と、車を運転してしゃべっているときの母とでは言葉遣いが全然違います。家でしゃべっているときは
「わあ、あの人、道の真ん中に車止めてるやん。ほん

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寄宿舎の思い出

寄宿舎の思い出

                 大阪府立盲学校 中学部2年 羽田香織
 

 盲学校には寄宿舎というところがある。寄宿舎は家が遠くて毎日通学できにくい人が泊まる宿舎である。私は家からそう遠くはなかったが、小学校3年のときからずっと寄宿舎に泊まっていた。掃除、洗濯、御飯の準備。自習時間などを抜くと、後は大体自由であった。みんなで笑い合ったりすることが多かった。
 

 寄宿舎はホールを隔てて西寮と

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