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複眼の思考

【言語とメンタリティ】

以前にj-waveを聴いていた時に、川田十夢さんが語っていたことが面白かったので紹介させていただきます。

ここで話されていたのが、以下のような内容です。(記事より抜粋)

「フランス領だった時代とイギリス領だった時代」は「OSが2つあるようなもの」と喩えながら語る川田さん。「これはこうしなきゃいけない、がない」「2つの言語が生きているし、文化に対する国の理解が多い」

言語という文化的背景が、メンタリティに関係するというこの考え方に、なるほど、と思いました。

【特殊な言語環境を持つ国ベルギー】

そして思い出したのが、ベルギーです。
私が海外赴任で2年半過ごしたベルギーは、戦争によって政治的に国境線が引かれた(最終的な国境は第一次世界大戦後に確定)こともあり、フラマン語(オランダ語)、ワロン語(フランス語)、ドイツ語の3つの言語を公用語に持つという複雑な背景を持っています。

北半分のフラマン語圏、南半分のワロン語圏では、使う言語が違います。その中間に位置するブリュッセルはEUの首都でもあり、英語での会話も普通に可能ですが、ワロン語、フラマン語、英語が入り混じっています。そんな環境なので、バイリンガルは当たり前で、まさにマルチリンガルの国なのです。

【ベルギー赴任時代に感じたこと】

私の一番仲が良かった同僚は、フラマン語圏にあるアントワープ出身だったのですが、相手に合わせてフランス語、英語、オランダ語に切り替える様子を見て、ただただ感嘆するだけでした。

そして、ベルギー人のメンタリティは、非常にオープンで、複雑さ、多様さを受け入れることができる、そんな特徴を持っています。大国のフランス、ドイツ、イギリスに囲まれていても、どこともうまくやれる。だからこそ、ブリュッセルがEUの首都になっているという話もあるのですが、言語によるメンタリティの話を聞いて、納得できたのはこの経験があります。

ちなみに、ベルギーの都市は、それぞれフラマン語、ワロン語での読み方があり、二つの名前を持っています。それは駅の名前も同じ。観光で訪れる人は少ないと思いますが、文化的な背景を知るととても魅力的な国ですよ。ぜひ一度訪れてみてください!

地下鉄駅のマールビーク。上がワロン語、下がフラマン語の表記です。

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