それなりに稼ぎたい大手個別指導塾の学生講師になるために(学力以外の面)

 大手の個別指導塾では教室責任者(社員)が各学生講師に授業を配分する場所がほとんどだと思う。ちなみに採用は人手不足回避のため、採用の段階では「とりあえず」採用し、その後に実際に授業で起用するのかを考えていくことが多い。(業界の闇)もし誰にでもマッチングしそうな生徒がそのタイミングでいれば、その段階で起用してみたりする。その段階で色々わかってきたりする。その後のことを「しっかりと」考えている教室責任者は各学生講師の対応可能科目だけではなく、各生徒との相性やその学生講師の性格、ある程度の生い立ち(どういった形式の塾に通ってきてどんな勉強をしてきたかなど)を普段の何気ない会話から聞き出しそこから担当生徒を割り振っていく。そうすると、必然的に表面的見て「できる講師」には仕事がシフト目一杯に入り、「できない講師」はシフトが全く入らず別のバイトを探すことを余儀なくされる。せっかく曲がりなりにも「塾講師のバイトをしてみよう」となっているのだから、私なりに「できる講師」になるためのポイントを紹介していくので、参考程度に見てもらえたら幸いである。(今回は採用を通過した後なので、とりあえず学力面以外を描いていけたらと思う。)
 まず挙げられることは「生徒とのコミュニケーションの面」というところである。このポイントを通過できないと、教室責任者からではなく、生徒からNGを食らってしまう。繊細な子も中にはいるので、それで生徒からNGを食らってしまったら、そこは教室責任者の采配ミスで済むところもあるのだが、コミュニケーションが比較的誰とでも取れる生徒からNGを受けてしまうと、もうそれ以降、担当生徒が付かないなんてことも多いと思う。したがって、このようなケースはなんとしても未然に防いでおきたい。生徒とのコミュニーケーションにおいて大切なことは「距離感」である。特に大手の個別指導塾では中学生や高校生といったいわゆる思春期の生徒を相手にする。大人相手であれば少々距離感を間違えても軽くあしらわれる程度で済むだろうが、中学生、高校生の場合、距離感を間違えたことによる反応は「嫌悪」に変わりやすいと感じる。この距離感を間違えやすいポイントとしては「教室の雰囲気の中で自分が浮いている」ことが原因として挙げられる。そうすると、いざ授業となった時に生徒と話しすぎたり、生徒と話さなすぎたりといった、「教室の雰囲気と自分自身の温度差」に生徒は違和感を感じて、それが「NG=嫌悪」に転じていくといったメカニズムだと考える。したがって、教室の雰囲気や生徒の雰囲気に慣れることが大切である。では、慣れるためのアプローチについて書いていきたいと思う。それは教室責任者や先輩講師に頼んで、授業と授業の合間の時間とかでいいので、生徒や他の講師と話す場をさりげなく作ってもらい、そこで、教室責任者や先輩講師に生徒との距離感をコントロールしてもらいながら生徒とコミュニケーションをとるといった方法である。私は教室責任者だった頃はこの方法をよく使ったが、そういった講師の方がスムーズに授業に入れている印象である。これを事前にやっておくだけで、授業の入りやすさは全くもって違うと思う。ただし、気をつけた方が良いこととして、講師側は生徒と一度コミュニケーションをとることができると「生徒と仲良くできた!」と勘違いして、逆に距離を縮めすぎて気色悪がられるなんてこともあるので、「適度な距離感」が大切である。これは主観的にはわからないと思うので、客観的に見てもらうようにすると良いだろう。
 「生徒との距離感の問題」を通過するときに同時にしておくと良いのが、「講師や教室責任者とのコミュニケーション」なのだ。ここは私も教室責任者のとき、最初に手を回したところである。ここで講師や教室責任者に「悪印象」を与えてしまうと担当生徒が全然増えないなんてことが起きるので気をつけておきたい。ただ先程の生徒とのコミュニケーションの問題と同様に距離感を間違えると大変なことになるので、注意が必要である。このいわゆる「大人」相手のコミュニケーションにおいて、大切なことは、「報告、連絡、相談」をしっかりすることだと思う。例えば遅刻しそうな場合は分かった時点ですぐに連絡する。授業の終わったタイミングなどの隙間時間(帰り際など)でその日の授業についての生徒の様子や相談をしておく。こういったことを教室責任者に対して行うだけで、教室責任者からの見られ方は全くもって違ってくる。また、他の講師に対しても話はしなくても挨拶は欠かさずにした方が良い。この2つが出来るだけで職場の中の人間関係もギクシャクしなくて済むだろう。
 さらに教室責任者の考えとしては、講師の対応科目が多い方が、選択肢が多いので、次担当生徒が増えやすい。特に英語、数学あたりは中学生、高校生に関わらず対応できる人が多いので、中学生の理科、社会当たりができると、これだけでも重宝される。中学生の5教科対応の仕方についてはまた詳細を後日書いていくことにする。
 最後にシフトは週3日、1日2コマ分くらい授業に入れるくらいであると融通が効きやすいと思う。
 とにかく、大手の個別指導塾で稼ぐためには授業のコマ数を増やさないとお金にならない(昇給もほとんどないところも多々ある)ので、先に述べたような「生徒との距離感」「講師や教室責任者とのコミュニケーション」「対応科目数や、出勤可能日」をしっかりとしておくと、いわゆる「できる講師」認定されることが多いと思う。ただし、学生なので、学業やプライベートとのバランスは十二分に考えて楽しくアルバイトをしてもらえたらと、そこだけは切に願う。

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