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老舗企業におけるアジャイルな話 ~組織を芯からアジャイルにするWeek~

2023/4/29、シン・アジャイルのイベントに参加しました。

 新鮮な話で印象に残った五十嵐製箱株式会社の五十嵐さんのお話について。五十嵐さんの会社は、主に段ボールを扱う製品の製造や販売をされている会社とのことです。創業97年の老舗で家業。製品を作る職人。
 これも段ボール!と初めて知りました。
試飲台・試食台 | 五十嵐製箱 (igarashi-seihako.co.jp)

 会社紹介の冒頭は、アジャイルとの関係が全く見えませんでした。

力技のプロセスからアジャイルへ

力技のプロセス
 営業担当が仕事(注文)を取ってきて、注文書(紙)を担当者(職人)に渡す。営業担当は、誰が得意か(できるか)知っているから直接渡す。  
 次々と舞い込む注文に、力技かつ残業で対応する職人たち。お互いに、誰が何の注文を受けているのか分からずフォローしあえない。とにかく注文が来たものからやっつける毎日…。
 その状況を見える化からカイゼン。

アジャイルへ
・注文書に管理番号を付与
・営業担当から届く注文書を、自作のボードに並べる(バックログ)
・注文書に優先順位を付けて、優先順位の高いものから職人が対応(プランニング)
・注文書の対応状況を、自作のタスクボード上に展開(見える化)
・タスクボードを営業担当も見られるようする(状況を公開して共有)

 営業担当も、以前は職人の対応状況や大変さが分からず恐る恐る注文書を渡していたそうです。それが、状況の共有により一体化したチームとして取り組めるようにカイゼン。数年前からの取り組みとのことで、今ではさらにカイゼンが進んでいることと思います。

カイゼンのきっかけ
 着任した当初の五十嵐さんは「これは大変すぎる状況で無理が生じている。うまくやれるやり方があるのではないか」と、解決の手がかりをファシリテーションに求めたそうです。ファシリテーションの勉強会でカイゼン・ジャーニーと出会い、タスクボードの導入に至ったとのこと。

 自社や自組織内だけの視点でカイゼンを目指しても、得られる気付きは既視感やそれじゃない感のあるものになりやすい。現場が大変な状況にあるときも、なんとか少しの余裕を確保して、新しい視点や考え方などに触れようという気持ちを持ち続けられるようにしたいと改めて思いました。
 
 今回話をきくことができたのは、普段の生活で接することのない現場でした。機会があれば、ぜひ見学してみたいと思います。


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