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Something Unspoken

※366日間チャレンジ、201日目。

タイトルは、テネシー・ウイリアムズの戯曲の題名。
大学3年生の時の英語のゼミ(メンバー6人)で英語劇をやっていたのだけど、これは私たちのチーム(4人)ではなくて、もう一つのチーム(2人)がやった、短い会話劇。

裕福な未亡人コーネリア(60代)と、15年間彼女の秘書をしているグレース(40代)。
この2人の間にある、『something unspoken ー語られてこなかった何かー』について、コーネリアはグレースに話したくてたまらない。
グレースは、そのことに気づいているけれども、気づいていないふりをしてきた。
ある日、とうとう、その話に触れようとするが・・・というお話。

これを、今朝の朝ドラを見ていて思い出した。
元華族のお嬢様と、彼女を長年支えてきた元女中。
お互いがお互いの一番近くにいて、喜びも悲しみも全て見てきた。
身分制度がなくなり、いざ自由、平等の世の中になっても、とある事情で彼女たちは『護る人、護られる人』の関係のまま、支え合って暮らしている。
しかし、その二人が、ついに、胸の内にあるsomething unspokenを曝け出す時が来た・・・。

そんな回だった。

テネシー・ウイリアムズの戯曲の方は、不条理劇というジャンルなので、なんともスッキリしない幕切れなのだけれど、朝ドラの方は、なんかちょっと、よかったね・・・とはいえ、まだまだ綺麗事で終わった感じはあったけれども。
朝ドラだからね・・・うん。

人間、生きてると、誰でも必ず、胸の内に『something unspoken』がある。
上皇后美智子様も、そういうようなことを(言葉は違うけど)おっしゃっていた。
どんな人にでも、必ず。

そのことについて、最近、考えることが多いのだけど(例えば、どんな言い方で言うかとか、だからといって何でもかんでも思ってることぶちまけていいのか、とか)、風の時代と言われる世の中に移行している最中の今、まさに、知性とコミュニケーションについて、多くの人たちが
「本当にこれでいいのか」
「これからのコミュニケーションはどうしたらいいのか」
について考えざるを得ない場面に直面している気がする。

風評の流布とか、AIによる限りなく自然に近い人口の表現とかね。

トランプ氏が大統領候補となるからには、これからしばらく(あるいは、もし大統領に選ばれたら、さらに4年間)嘘や暴言を耳にしたり目にしたりする機会が増えるだろう。

そのことを考えただけでも憂鬱だ・・・。

頼むからそういうの(嘘や暴言)は、unspokenにしてほしい・・・神経が、疲れる・・・。

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