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下町ダイアリー

2022.0905
あさ子供を送るタイミングで自転車がパンクしてるのことに気付く。近所に自転車屋もないし困った。ママチャリって戦車のような頑丈な作りになってるらしくとてつもなく重い。運ぶのも無理だし持ち上げるのも無理。とりあえず空気を入れてみて1日様子を見ることにした。

2022.0906
あさ確認したらやっぱりぺしゃんこのタイヤに戻っていた。出張のパンク直しもやってるらしいけど一体いくら取られるのか。そもそも修理ってどれくらいか?考えれば考えるほど面倒になって忘れたくなる。でもそういえば、いつも自転車をいじっているおじさんAの家が近くにある。この人は以前たまたま前を通りかかったら我が子の自転車をみて「これじゃあ運転しにくい」と言って私がネット注文して組み立てたしっくりこない部分を直してくれた。
あの人に直せるかきいてみようか、でも明らか商売でやってる感じじゃない。普通の家の前でいつも誰かの自転車を触っていてなんだかよくわからない。
そんな人に私が急に頼んでもいいのか。でもあれから毎回挨拶はする仲になっていた。どうしよう。
そうだ!おじさんBに相談しよう。おじさんBとは関係性ができているので大丈夫。
昼過ぎになって話をつけてもらったらすぐ自転車を取りにきてくれた。多分80歳はこえてるか?でも身長も大きくてガタイも良く背中もぴーんとしていて何歳かは正直わからない。あの重いママチャリを持って行ってくれるなんて。
Bにお礼を言ってAの家まで私も行き修理を見学させてもらった。面白かったのがパンクを確認するには水の中にタイヤを入れて空気が漏れてるか確認する必要があるのだが、それを近所の川でやったこと。おじさんが自転車をもって私がタイヤを動かして空気がでてきてないか確認した。

原因はパンクではなく空気入れ部分の劣化だった。そこを新品に変えてくれておわりかと思ったら、壊れてたベルも道具箱からでてきた誰かが使ってたのであろうベルに付け替えてくれた。他にも、556で滑りをよくしてくれてハンドルも疲れない角度に変えてくれた。そして破れていて雨になるとパンツに沁みてくるサドル。これも「近所のディスカウントショップに売ってるから、買うなら付け替えてあげるよ」とわざわざ店までついてきてくれた。ライト、反射板、ハンドル、サドル、タイヤ、チェーン、鍵、ベル。何から何までやってもらって「金儲けでやってない」と言われた。さすがにお金を払いたいし、なんならまた頼みたいのでしつこく言ったけどいらないと断られた。こんなこともあろうかと買ってあった桃とお茶を手渡したら、「なんだよぉ」と言いながら受け取ってくれた。

Aは立派な一軒家に弟と住んでるらしく、年金暮らしで毎週3日は秋葉原に外食に行く、と楽しそうに話してくれた。目と歯が綺麗な若い時モテたであろう顔つきのおじさんAと顔見知りになった。またこれで私の下町HPが上がった。直してもらっている途中、何人かのママ友にすれ違って不思議そうに見つめられていたので明日はこのネタでもちきりだろう。

おじさんBにはお茶とゼリーをあげた。

おじさん、ありがとう。

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