見出し画像

少しエンジンをかけてみる

 年明けからの災害と大事故の報以来、なんだかエンジンがかからず、皆様のnoteにひたすらお邪魔していました。記事を読んだりコメントを書いたりしていると、元気が出ますね。皆様記事を投稿してくださりありがとうございます。
 私が意気消沈していてもしょうもないのですが。他には年末に書き上げた初稿を黙々と推敲。ただただ推敲。すっかり作業が捗った…。
 そんなことをしていたら、年末に注文した本が日本から到着。わぁ、元気がさらに出た。アマゾンとDHLありがとう。

 目玉はnoteで交流させていただいている酒本歩先生の『ロスト・ドッグ』(光文社)。動物医療がテーマの長編ミステリです。 

                (アフィリエイトはしておりません) 

あなたはペットの命に、いくら払えますか?

愛犬が心臓病になった。手術費用は200万円。
ペットショップでは売れ残った犬が鳴き、
セレブが集う動物病院では、名医の診察を待つ行列ができている。
――発見された人間の遺体の周りには、無数の犬の骨が散乱していた。

動物医療の在り方を問う長編ミステリ!

アマゾンよりお借りしました

 酒本先生はnoteでも『サマスペ!2 アッコの夏』という長編小説を連載なさっておられまして、これがたいへん面白いのです。個性溢れるキャラクターといい、舞台となる場所と人々の生き生きとした描写といい、何が起こるか予測のつかないストーリーといい、「無料で拝読してすみません…(小声)」と言いたくなる魅力的な物語です。さすがミステリー作家でおられる、と舌を巻く伏線の置き方と回収の鮮やかさも見どころです。(ものすごく勉強になります…!)。

 しかし、これから舞台が能登へ移っていくことから、被災地の状況を鑑みて連載休止に踏み切っておられます。
 入念に準備なさった上に、舞台となる土地や人々に思いを馳せて愛情込めてお書きになったであろう作品が、まさか災害で休止にせざるを得なくなるとは。先生のご心中を想像するだに、言葉も出ず。地震のニュースに続いてショックであったニュースでした。
 被災地が日常を取り戻し、アッコたちに再会できる日を、心待ちにしております。

 この『サマスペ!2』は『サマスペ!九州縦断徒歩合宿』の続編でして、完結している前作はこちらになります。この中で熊本地震は大きなテーマとなっており、その土地と人へ向けられる眼差しのあたたかさが物語を貫いているのを感じます。どうぞお読みになってみてください!

 その他に購入したのは江戸関連のものでした。
『建築知識 2023年9月号』は和風住宅特集。古今の和風建築について年代や地域別に詳細に解説をしています。当時の建築技法や様式の要点を視覚的におさえることができるので、とても勉強になります。ただ名称やスタイルを解説するだけではなく、寸法まで網羅しているので天晴れ。御簾や几帳の寸法だとか、上段の間の上段框の高さだとか(ちなみに180mmだそうです)、格天井のバリエーションだとか。『建築知識』のプロフェッショナリズムが素敵です。

 他の二冊は両方とも油井宏子氏による『江戸が大好きになる古文書』(柏書房)と、『江戸時代&古文書虎の巻』(柏書房)。
 古文書読解の勉強をきちんとしないといけないな…と思っていたため、重い腰を上げることにしました。ネット上にも色々解説してくれるサイトがあるものの、やはりじっくり学ぶには本がないと無理だなと。
 ざっと見たところ、とてもいいです。『江戸が大好きになる古文書』は、丁寧な解説と豊富な情報量が嬉しい。『江戸時代&古文書虎の巻』は古文書よりも江戸関係資料に重きを置いていますが、大変役に立つ内容。干支と暦の対照表から幕府役職人名一覧(わりとマニアックな役職も)、全国の街道や種々交通網の資料もついている。時代小説を書く人御用達でしょうか。一つにまとまっているので使いやすそう。
 最近はデジタルアーカイブが発達し、様々な古文書がデジタル化されています(非常にありがたいことです)。しかし、解読はそれに追いついていないのが現状。ではどうにか自分で読み解く他にない。
 古文書解読用アプリも登場しているそうですね。精度が上がったら色々活用できそうです。とりあえず、私は地道に勉強しよう… 

 番外編。年末に本棚の整理をしていたら、こんなものが出てきました。
明治期の植物学者、三好学による『天然記念物解説』。植物学者の牧野富太郎の学友だった人物ですね。国による自然保護をいち早く提唱した、大変優れた研究者でした。こちらの『天然記念物解説』は大正12年発行…ですが、私が所蔵しているのは昭和7年度版です。

 箱入りの美しい装丁。

 天然記念物とは何かをアメリカ等の事例を引いて解説し、日本各地の植物・動物・景勝といった自然物を詳細に取り上げています。

 カラーの絵も挿入されています。こちらははまなす。美しいですね。

 こちらは水前寺海苔!淡水藻類なんだそうです。知らなかった。顕微鏡画像まで載っているとはすごい。

 写真は不鮮明なものが多いですが、それにしても大変な熱意と根気、探求心を感じさせる本です。
 もう一冊、川端康成の随筆集『落花流水』の古書も発掘(昭和41年度版)。どこへ行ったのかなぁと思っていたんです…(←コラ)。
 川端康成、有名な作品は一応読んだけれど、実はじっくり腰を据えて味わってみたことがないかも。こちらもほぼ内容を忘れているし。せっかくなので読んでみようと思います。

 国木田独歩の『武蔵野』の古書もあったはずなんですが、見つからない…(国木田先生ごめんなさい…汗)。また探そう。

 日本では成人式でしたね。新成人の皆さんおめでとうございます。困難な時代ではありますが、どうぞ力強く、思う道へ邁進していただきたいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?