詩│柔らかくて痛い


毎日空がきれいなら
この高鳴りもなかったでしょう

毎日幸せいっぱいなら
この涙もなかったでしょう

生きるために昨日も食べたけど
正直感謝はしてません

毎日墓へ通っていたら
あなたのことを忘れてしまうよ

草むらの上で書いています
おしりの下が傷みました

愛とは己の神経を
少しだけ移植すること

茎をなぞってつまんだ時
少しだけ痛くなること

けれど誰にも迷惑かけず
生きることなどできません

寝そべった時の栄養も
お皿を割った栄養も

きっとその時
必要だったこと

松の棘が刺さりました
「あ、それ以上は怒るよ」

わかったよ
君の怖れは伝わった

だけど見放しはしないよ
君も湿っぽいところがあるんだね

抜ける寸前の
松葉を噛んだら甘かった

おなかが柔らかいのは
受け入れているから

弱いんじゃなくって
受け入れているから

棘がない花も
受け入れているの

強い生きものがもしいたら
きっと孤独なのでしょう



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