詩│余命


元から分かっていた
明日には終わる
何が嫌なわけでもない
幾月か過ごした家の
鍵をカチャっと閉めた時
失くしていた喪失を思い出した

生きるという当たり前の
写真には映らない眼の揺らぎ
何一つ決められないまま
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北アルプスに朧月
曇天の下、囲むような黒い影
懐に入り込んだ23時
白波の立つ川沿いを歩く



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