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#145 Flow into time 〜時の燈台へ〜【予告編】

この note を始めたのは昨年の6月末、そろそろ一年目の区切りの日が近づいてきました。エッセイが好きでずっと書いてきましたが、一年前と同じことをやっているというのも退屈で、何か違うことを始めてみたいところです。ドイツからオランダへ引っ越して来て仕事量も増え、発信活動は続けながら、少し省力化を図りたいというのも本音なところです。
(ヘッダ写真:ドイツ、ダルムシュタット結婚記念塔の日時計)



小説の方が楽できる⁈

友人の Karina さんと、「創作大賞 2024」出したいよね 〜 何出そうっか?と話していました。エッセイ部門には、よく書けたかな、と思う記事を何本か「とりあえず応募」しているので、改めて応募作を書くという感じではありません。
 Karina さんは脚本や小説を書く人で、登場人物の心情の変化を絶妙な文体で……ではなく、「誰が何をして、何がどうなったか」という「物語」に何より興味の中心がある人です。そして、「物語は人を救ってくれる」という興味深い話を何度か聞かせてもらいました。物語が作り出す世界は、現実だけでは生きづらい人の助けになるはず……これはやってみるしかないだろう、と思いました。

小説は、高校生の時に少し書いていたことがあるので、17歳だったとすると、33年ぶりの小説復帰ということになります。よく考えてみると、エッセイと違って、小説はきっと、場面設定と登場人物設定さえやってしまえば、あとはその人物たちが勝手にしゃべって動いて世界を変えて、物語を進めて行ってくれるに違いありません。これは僕が敬愛する作家、宮本輝さんがおっしゃっていたことです。
 「じゃあ小説の方がエッセイより楽できるのでは⁈」と、とっても天の邪鬼な発想から「創作大賞 2024」の「恋愛小説部門」にチャレンジしてみることにしました。あくまで、楽するためです(笑)

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人間が一番しばられているもの

人間が一番しばられているもの、それは土地でも文化でも言語でもなく、時間だと思います。もちろん、お金である程度時間の自由を「買う」的なことはできるとしても、物理的に与えられている時間はどんな人も1日24時間で、記憶の世界以外で、過ぎ去ってしまった時間を再生して追体験できる人は、誰もいません。

昔から、そんな「時間」にとても興味がありました。ちょうど、大好きなミュージシャンの今井美樹さんが、アルバム『flow into space』を発表なさった頃にそんなことを考え、「空間の中に流れ出す」という意味のアルバムタイトルを一語変えたフレーズ、『flow into time』を自分のキャッチコピーとして使っていた期間がありました。
 今回の小説再チャレンジでは、そのフレーズのホコリをはらって「昔の箱」から取り出して来て、時間という存在の中で迷子になってしまわないよう、「時の燈台」なるものを物語の中に据えてみようと考えました。

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「時の記念日」に始めます

来週の月曜日、6月10日は、「時の記念日」です。671 年6月10日(新暦換算)に、日本で初めて水時計で時を測定し、人々に知らせたことを由来としており、なんと、1920年(大正9年)から記念日行事が行われてきたという、現存する各種記念日の中でもかなり古参の記念日です。

僕は兵庫県の神戸市出身ですが、神戸でもお隣の明石市に限りなく近いところに実家があり、その明石市を、「日本標準時子午線」(東経135度)が通っていることから、その線上に「明石市立天文科学館」があるのですが、開館したのは1960年の6月10日、やはり時の記念日でした。昔から、月の満ち欠けをはじめとする天体の動きと時は、密接な関係にありました。

そして、小説の中で登場するある人物は実在の人物で(名前その他はちゃんと変えてあるのでご心配なく〜)、その人の誕生日も6月10日です。そんな縁のある来週月曜日に、一応恋愛小説と銘打ってみた33年ぶりの小説作品、『Flow into time 〜時の燈台へ〜』の連載を始めます。どうぞ応援&スキよろしくお願いいたします。

登場人物のみなさん、僕はみなさんが話した言葉やしたことを書き留めるだけにして「楽をしたい」ので、どうぞご自由に振舞ってくださいね。最初に出てくる登場人物のアキちゃん、何か一言ありますか?

イケアは商品を楽に組み立てられるような、
高品質の工具セットを売るべきだと思います!

最初の登場人物、アキの意見

だそうです。実は、組み立て家具が物語序盤の重要な部分を担っているので、ぜひご注目ください。それではみなさん、来週月曜日にお会いしましょう✨

(2024年6月3日)

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