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#158 いちばん新しい友だち

『いちばん新しい友だち』は、僕の大好きなミュージシャン、熊谷幸子さんの曲名です。なんだかとても想像力をかき立てられるタイトルだと思いませんか? 日本からドイツへ来た頃にとても気に入っていて、毎日のように聴いていました。

僕にとっての「いちばん新しい友だち」は、奇妙に聞こえるかもしれませんが、自分が書いた小説の登場人物たちです。友人の Karina さんに小説を書くことを勧められたことが始まりでした。きっかけとなったエッセイです。

半信半疑ながら書いた小説『Flow into time 〜時の燈台へ〜』では、基本的には実在の人物をモデルにして登場人物たちを設定しました。しかし書き始めてすぐに気づいたのは、「自分が物語を書く」というよりも、「登場人物たちが勝手に話し、動き回り、僕はそれを眺めて書き留めていた」ということでした。

気がつくと、毎日の生活の中で、「探夏(登場人物)ならどう思うかな?」、「七会(登場人物)が好きそうな色だ!」と、知らず知らずのうちに小説の登場人物たちと交流している自分がいました。これは、小説家の伝記などを読むとしばしば書かれていることと一致しています。アンネ・フランクは日記の中で、架空の親友「キティ」に向けて気持ちを打ち明けました。想像上の人物が時に大きな支えになってくれることは、昔から知られていたのだと思います。

小説『Flow into time 〜時の燈台へ〜』は、僕にとってとても大切な物語です。書いていた6月〜7月中旬は本当に幸せな時間を過ごさせてもらいました。そして、登場人物たちがこの作品の中だけにとどまっているのはもったいないと感じるようになりました。
 どうしたものかと考えた結果、『Flow into time 〜時の燈台へ〜』の登場人物の一部が登場する『マリアンヌキャンディー』と、『音出るんですか、その指輪?』(共に note では未公開)をスピンオフ編として書きました。この二本は、下のサイトからご覧いただけます。ペンネームは「探夏七会|takanaka」です。

それでも、どうしても、小説『Flow into time 〜時の燈台へ〜』の後に、彼らがどんな人生を歩んだのかが気になってしまい、うずうずしている自分がいました。そんな時、9月末締切りのあるコンテストを見つけました。9月末なら、まだ少し時間がある、制限枚数もちょうどいい✨
 もう一度、中編小説に取り組んでみることに決めました。そのコンテストは厳密に「未公開作品」しか応募できないので、タイトルを含めてここでは一切書くことはできませんが、『Flow into time 〜時の燈台へ〜』の登場人物たちのその後が描かれる作品です。そのコンテストの結果が出た後に、note でも公開したいと思います。

ということで、9月末まではそちらの小説に集中するため、月曜日と金曜日の note へのエッセイ投稿をお休みします。水曜日の「しあわせ探求庁」の投稿はこれまで通り続けますので、どうぞよろしくお願いいたします。

次にお会いできるのは、10月4日の金曜日になりそうです。次の作品でも登場する「ドライブインひいらぎ」二代目女将のユーリさんよりごあいさつです。

みなさんお久しぶりです、「ドライブインひいらぎ」のユーリです。次の物語は私たちの食堂から車で10分ほど行ったところにある、ある場所が舞台になります。さてどんな冒険になるか、お楽しみに!

「むらさきいろ」のタブリエが似合うユーリさん

それではみなさんごきげんよう🌸


サポートってどういうものなのだろう?もしいただけたら、金額の多少に関わらず、うーんと使い道を考えて、そのお金をどう使ったかを note 記事にします☕️