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Flow into time 〜時の燈台へ〜 スピンオフ編 #3 : 物語を彩った音楽とお酒の数々✨

【物語を盛り上げてくれた立役者たち!】
 小説『Flow into time 〜時の燈台へ〜』では、印象的なシーンで何曲かの音楽作品と、「ドライブインひいらぎ」での定例会では特徴的な名前の日本酒が登場しました。七会が長年飲みたかった「ジントニック」のために、クラフトジンも出てきましたね。今日は最後に、それらの音楽作品と日本酒やジンの数々をご紹介したいと思います。曲は聴いていただき🎵 お酒はぜひ飲んでみてください🍸小説のことは知らないよ〜という方は、こちらから読んでいただけると嬉しいです。


音楽作品


オープニングテーマ: 久松史奈さん 『天使の休息』

勝手にオープニングテーマにさせて頂いたのは、久松史奈さんの1992年の作品『天使の休息』です。七会がこの曲を口ずさむシーンがあるので、1995年以前の発表作品にする必要がありました。実はこの曲は、局長のキャラクター作りをしている時に思いついたものです。
 この曲は同年のテレビドラマ『綺麗になりたい』のオープニングテーマで、ドラマの主演は中江有里さんでした。今では中江さんは、コメンテーターとしての印象が強いですね。「とりあえず飲んで、天使の休息」の歌詞が最高です✨

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エンディングテーマ: 国府弘子さん & 天野清継さん 『Etude』

エンディングで探夏が七会に贈り、かつアキが現在で一乗谷へと旅する途中で聞くのがこの曲です。小説中ではアルバム名は『天上の音楽』としましたが、実際のアルバム名は、『Heaven(天国)』でした。アルバム名の由来は意外と単純で、ギターの天野清継さんの「天」と、ピアノの国府弘子さんの「国」をとって、「天国」になったのでした。
 楽曲『Etude』の詳しい解説は、第16話『七会のすべて』をご覧ください。曲の解説を書くにあたって、作曲者の国府弘子さんによる譜面を取り寄せて読み込みました。もし、どこかの駅のストリートピアノでこの曲を弾いている人がいたら、それはアキか僕かのどちらかだと思います(笑)

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挿入歌: 鈴木祥子さん 『ステイションワゴン』 (第10話で登場)

七会が初デートの「南仏キッチンタブリエ」で、昔好きだった曲として、「中古車センターで、暇をつぶしてた」という歌詞を引用する曲がこちらです。鈴木祥子さんは、七会が言った通り、「アーティスツ・アーティスト」と呼ばれる方で、プロミュージシャンから特に愛されています。1990年の作品ですが、上の動画は発表から30年後の2020年に、鈴木祥子さん本人が弾き語りなさっている動画です。長く愛されている曲であることが分かります。

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関連作品: 耳をすませば 『カントリーロード』 (第6話で登場)

 七会は二人の「永遠の五日間」の初日の月曜日に、彼氏と一緒にジブリの『耳をすませば』を観に行っています。この日は1995年7月24日の設定ですが、映画の公開日は同年7月15日でした。七会と彼氏は、公開後すぐに観に行ったんですね〜

関連作品: 『GRP All-Star Big Band』 (第7話で登場)

ビッグバンドジャズのアルバムとしては、名盤中の名盤だと思います。『エアジン』が1曲目に、『ドナ・リー』が3曲目に入っています。1993年には来日して、昭和女子大学人見記念講堂でコンサートを行いました。観に行きたかった……

関連作品: 無伴奏独奏フルート (第11話で登場)

探夏は自分を「ソロ」の人だと言い、七会は「ハーモニー」の人だと言いました。それだと接点がないのか? と思いかけた時に、七会は次のように言いました。名セリフだったと思っています(自画自賛!)

「でも、無伴奏独奏でも、『和音』ではなく『和声』の観点で楽譜の横方向に見れば、ハーモニーが見えてくる。完全に無調性の音楽でない限り」

七会の名セリフ!

これはぐんと新しく、友人のフルート奏者、宮戸美晴さんの演奏にインスピレーションを得て書きました。宮戸さんのサイトと、コラボして書いた記事を引用します。ぜひ宮戸さんの演奏をお聴きください!

日本酒 「栄光富士」


音楽の次はお酒です! まずは、「ドライブインひいらぎ」での『道の曲がり角』調査定例会で登場した、「ぶっ飛んでいる」名前の日本酒たちです。全て山形県の酒蔵「栄光富士」のもので、名称もそのままです。栄光富士を飲むと、他の日本酒を買おうと思わなくなります。ちなみに、四合瓶で2,000円以内、一升瓶でも4,000円以内で買えるものが多く、「お酒は気軽に飲むもの」という哲学が表れています。ボトルのラベルデザインもとても素敵です。
 栄光富士の基本は芳醇甘口でアルコール度数も高いのが特徴で、ここで紹介する四名柄は全て、「純米大吟醸無濾過生原酒」という「フルスペック日本酒」です。料理に合わせるよりも、ちょっとした珍味によく合う主張の強いお酒なので、実際には「ちくわの磯辺揚げ」や「厚揚げ焼き」にはあまり合わないかもしれません。いかの塩辛、板わさあたりが最適ではないかと思います。あとは意外と、青かび系チーズにもよく合うと思います。

星天航路(第3話で登場)

ラベルのおしゃれさではダントツ✨

アキとユーリの緊張をほぐしてくれた「星天航路」

七星(第7話で登場)

七つの星の色が、フレンチブルーに近い色です✨

写真では黒く見えますが、実際は七つの星が鮮やかな青色です!

アルケミスト(第10話で登場)

栄光富士の中では、比較的料理に合わせやすいと思います✨

「錬金術師」という名前の日本酒

極超新星 HYPERNOVA(第17話で登場)

このお酒だけは、少しコメントを。上で紹介した「七星」の日本酒度がマイナス12 なのに対して(マイナスの数字が大きい方が甘口、プラスが辛口)、極超新星 HYPERNOVA はマイナス3と「芳醇甘口度」は低いのですが、このお酒は特別な存在感があります。
 発泡しているわけではないのですが、独特の酸味がまるで発泡しているような感じを感じさせ、例えるならばブルゴーニュの白ワイン、マコンを思わせる味です。日本酒の能書きに、天体エネルギーの話が出てくるなど、まさに「ぶっ飛んでいる」日本酒です。物語のエンディングに使わせていただきました。

物語の最後を飾ったのはやっぱりこれ 〜 極超新星 HYPERNOVA

クラフトジン


モンキー 47 ドライジン(第13話で登場)

「世界中のクラフトジンがお手本にする」とまで言われる、ドイツ発のジン。「飲む香水」とも言われるほど芳醇な香りですが、口当たりはスッキリとしています。もちろんジン・トニックにはせず、冷蔵庫でボトルごと冷やしておいて、ストレートで飲むのが一番です。カクテルにするのももったいないです。
 おつまみは味の強すぎないチーズあるいはドライフルーツがオススメです。47種類のボタニカル(風味付のための植物素材)が使われており、アルコール度数も47度、「50以下の最大の素数」です。ラベルが七会の大好きな「むらさきいろ」なのですが、比較的新しい銘柄で、1995年には発売されていなかったので、アキとユーリたちに飲んでもらいました✨

ボタニスト アイラ ドライジン(第13話で登場)

こちらが、七会と探夏が初めて乾杯する時のジン、ボタニスト。「静のモンキー」に比べて、こちらは「動のボタニスト」といった感じで、透明なボトルに白いラベルのイメージ通りの味です。モンキーの47種類に比べて、こちらは22種類のボタニカルを使用。ラベルにある「22」の赤文字が素敵です!
 こちらは、オンザロックで、あるいはマティーニなどのカクテルに使ってもいいかと思います。モンキーも同じなのですが、バーで飲むと高価なので、ボトルで買ってきて家で飲むのがおすすめです。ちなみに、ボタニストのボトルは、飲んだ後におしゃれな花瓶として使えます✨

博物館


一乗谷朝倉氏遺跡博物館 (第14話で登場)

最後に、第14話でリンとナミが発掘の参加者名簿を受け取りに訪ねた博物館を紹介します。僕はまだ行っていないので、次の一時帰国の時にでも行きたいな、と思っています。

ごあいさつ


小説『Flow into time 〜時の燈台へ〜』を書き始めたのは先月のはじめでした。それから一月半、本格的になりつつある研究活動、軌道に乗ってきた「しあわせ探求庁」の活動と併せて、全力で取り組んできました。「中」と入力しようと思ってパソコンで「なか」と入力すると、「七会」と出てしまい、笑ったことも何度もありました。
 そんな中でも一番時間をかけて丁寧に考察したのは、ラストシーンでアキの想いを載せる楽曲『Etude』でした。1995年当時、探夏が七会にプレゼントしたのは、実際にこの曲でした。二人の過ごした五日間+翌日にあまりにピッタリだったので、驚いてしまいました。楽譜を読み込んで、より理解が深まりました。

すべての力を込めて一月半を走り抜けたので、少しエネルギー充電が必要と感じています。大学での研究活動は、今週末に少し節目を迎えるので、一週間夏休みを取ることにしました。その間に、僕の「英語+音楽」の原点とも言える、ビートルズゆかりの地、イギリスのリバプールを訪ねてきます。note 投稿も少しお休みをいただいて、8月の再開第一弾は、リバプール便りとしたいと思います。

それではみなさん、ごきげんよう。小説『Flow into time 〜時の燈台へ〜』をお読みくださって、本当にありがとうございました。そして明日7月24日は、ちょうど29年前に七会と探夏の「永遠の五日間」が始まった日でした。これは決して、偶然の一致ではないと思います。

七会さん、あの曲、覚えていますか?

(2024年7月23日)

サポートってどういうものなのだろう?もしいただけたら、金額の多少に関わらず、うーんと使い道を考えて、そのお金をどう使ったかを note 記事にします☕️