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エレクトロニカ情動反応

今日は一段と花粉が多いなぁ。微睡む穏やかな陽気に対抗して、開けっぴろげの扉から風と共に店中に侵入してくる花粉に神経を尖らせる。目が痒い、塵と埃より粒子が細かいらしい花粉は皮膚表面のキメの間とか目の粘膜とかにダイレクトアプローチを決め込んでくる。掻いてないのにどんどん痒くなってくるので余計に腹が立って無謀承知で何か撃退方法はないかと考えてみる。
自営の雑貨屋を母が初めて今年で3年半になる。手伝いで店番をするが、全く役に立たない存在で常連のお客さんがひょこっと顔をだしてくれても母ではなく私がいてがっかりする、というシーンをよく見る。母は偉大な亭主であると誇りに思いながら、不甲斐なく感じるこの矛盾を心にしまい込み、その後何となくお客から気を使われている自分を自分でやや哀れな気持ちで励ましながら何とかお見送りし、暇になって一応午後の休憩、と決めてみたりしてぼんやり過ごす。

世間的にリモートとかが当たり前になってからもう3年、マスク生活の1年前に開店したこのお店は東横線沿いの雑貨屋が多くて有名な駅にある。駅近ではないけど遠くはない距離で食品と日用品、香りが豊かなオーガニック雑貨を揃え、エシカルをコンセプトに自然でアットホームな雰囲気を売りにしてなんとか親子で生計を立てている。

母は絵に描いたような蟹座のA型で、「蟹座 A型 女」のワードでインターネットで検索して頂けばもう、その性格であると言い切っても良い。本人曰くジメジメとした梅雨の終わりに海の日があってその辺が自分の誕生日なのらしいが、個人的には花粉が終わって忙しなく梅雨が順番待ちしている5月生まれ(わたし)より夏が何か連れてきてくれそうなキラキラとした時期の7月生まれはいいなと思う。

母は愛情表現は下手だが愛がとても深く、間違いなく恋愛に生きるタイプの人だと勝手に推測している。結婚離婚を2回して今はフリー、本人は至って真面目だが、結果的にチャレンジャーな人生を歩んでいる。わたしと妹は 母中心の女生活が当たり前なので、父という存在のいる家庭に憧れて思春期辺りは自分の人生は母を反面教師に離婚はしたくないという気持ちが強かったが、何だかんだやっぱり無意識に母の背中は追ってるもので、娘共々恋愛に左右されがちな人生に陥り易く、安定的な恋愛が下手なので危険な橋を幾度か渡りながら、最終的に離婚したくないなら結婚しなければいいじゃん、と不毛な回答をだし、それぞれ脱力して生きている。

母は昔から恋に恋する乙女?みたいな少女漫画的発言が多く(ちなみに母のお気に入りは陸奥A子)、いつまでも夢見る少女感があるので、たまに映画のヒロインモードにスイッチが入ってしまうと、とうとうツッコミたい気持ちが喉の上の方まで押し寄せてくるが、本気でいくと彼女の繊細な心にヒビが入ってしまいそうだし、らしくそのままでいて欲しい気もするので、解決策としては陸奥A子風に調子を合わせて「どうしたのん、悩み事があるって顔に書いてあるわよん」と昔のリボン的なキュート言葉で脇役に回ってみたりする。
感受性豊かな親がいる、子どもの方は良い意味で八方美人になる可能性が高い気がした。

そんな母がいてわたしや妹の今はあるのだと、改めて思うと勿論、嬉しくもあり同時になんか複雑な心境でもある。まあそれも人生、もっと壮絶な道を歩ん来た方々と比べれば、物凄く平和だと思えるからそれはそれで良いとしよう。

我が家のアイドル妹は、これまた個性的。父が違うのでわたしよりも100倍位可愛らしい顔立ちである。10歳下の今年成人式を迎えた彼女は現在ロリータギャルみたいな最新なのかどうなのかよくわからないジャンルの服装をしいる。しかしながら上手に着飾っていて可愛いらしいしチャームポイントの白い肌にもとても似合っている。世間の目なんて気にせず好きなものを着ているというところも格好良いので姉はリスペクトしている。(先に色々褒めておこう…)妹は幼少期どちらかと言うと全体的に身体がモチッとしていて源氏物語に出てきそうなタイプだった。しかし先日改めてちゃんと見たら足がすらっと綺麗になっていて感心した。転んだら骨折かな、くらいの張厚底のブーツを履いていたからその効果だったのかもしれない、と数日後にちょっぴり思った。
お金が無くなると気まぐれなタイミングで出稼ぎ(一度行ったらしばらく返ってこないバイトなので我が家でら出稼ぎと言っている、怪しい感じではないらしいのでご安心ください、らしい)に行ったと思ったら、稼いだお金を握りしめて新宿の行きつけのBARに家素通りで向かい心もお金も全て貢いだ後、空っぽになって帰ってくる。実に従順な性格だと思わんか…。

12月生まれの山羊座のB型の妹は、山羊座らしく責任感が強いが、B型が関係しているのかわからないが(一個人のB型の話なのでお許しを)変な方向で意地になり、一度決めたら異常な程、無茶苦茶頑固。喧嘩しても絶対に折れないダイヤモンドかと思う程の心で、一生根に持つタイプである、その為敵にしたら大変だ。喧嘩なんて恐ろしくて絶対したくないし、そうなっても長期戦になって相当面倒臭くなる、というシナリオを本人もよく理解しているので言い争いは大分強気である。良く言えば味方に付けれれば最強、だけどそんな世界で生きたくないのでわたしはパスだ。

そんなカリスマ的妹だが、その強さの根源には人一倍ビビリで心理を悟りやすい故の葛藤や繊細な部分が多くあり、人生で適用していく過程でかなり躓きやすい。しかしながらわたしや母、学校の先生、同級生たちが思っているよりもずっと、純粋で人の痛みのわかる人間であって、もっと大きな規模で何か守ろうと必死にもがいている様なところがある。その正義感で時に人生、生きてくなんて無謀だと立ち止まり打ちひしがれて、廃人と化す事が多々あるが、それも人より数多くを学んでいるのかなと思えば良いのかもしれない。本当は心優しく責任感の強い、真面目なこなのよねと、ふとした瞬間に思っている。

脱線しちゃったが、今日はジャズを流してみた、なんかいつもよりお店に入ってくる人が多い気がする。ジャズの雰囲気に誘われているのかな、と意気揚々に店番を楽しみ、滞在時間も長いしやっぱりこの音色が心地よい空間にしてくれているのかしらとマスクの中の口角も上がる。また立て続けにお店にお客さん、賑わう、より嬉しい。一通り終えてPCを開いたら、日記の出だしに花粉症の撃退方法を考えていたなだった…1ミリも対策案がない事に照れ笑いして、記憶を抹消してから意気揚々とカスカスの口笛を吹いてみた。

今ジャズは勉強中で、愛しの彼から教わったものを一生懸命聴いている。その他にも色んなことを教えてもらっているから、彼と出会ってからずっと私の脳みそはプルンプルンに潤っていて心地良い。
ただ与えて貰うばかりじゃいけないと思い、わたしも自分磨き(方向性合ってる?)をしてみたり、家事は苦手じゃないことだけしてみたり、(結局彼がやってくれている)だから何にも返せていないのだけど、それがまた不甲斐なく、折れかけたこころが何処に行っても何をしててもまた折れそうになる。

ネガティブがトコトコと行進していく、どこまで行くのか…。

彼の笑顔は世界を救い、わたしの胸をときめかせて、こんなにも美しい生き物が生存していて良いのかと時々信じられなくなり、隣にいるこの幸福を思いっきり堪能できていいのかと不安にもなってしまう程だ。

お花の様な可憐な彼を大きな空の如く包み込んであげたい気持ちの日々ではあるが、10年間一人っ子を味わったわたしとしては人生においても恋愛においてももう少しばかり、攻められたい気持ち(意味深)も捨てきれない。なんだか気持ち悪くてちょっぴり吐き気もする内容だが(口悪い)意外とわたしも母に似て乙女だと言うことが少しづつわかってきたので(寒気)、そんな日常の葛藤があり、結果自分でも凄くわかりやすく意気消沈している。

意気消沈の矛先だけ間違えない様に気を付けたいと意味不明に彷徨う心、嘆く日々。

このように時には自分勝手に悩み落ち込むこともあるのだが、家に帰ってニュースを見て改めて世界の悲しい出来事に比べれば、本当にくだらない事ばかりのそんな自分で、結局最後にはクルベラ洞窟辺りまで意気消沈した後に平穏なところに帰ってきて一件落着なのだろう。些細な事で悩める素晴らしさを噛み締めなさいわたし。よしよし。

天気が良過ぎて、嬉しいけど目が痒い。痒いけど日々に感謝していこうと心に誓う。隣にいていつも小さな事も褒めてくれる優しい君にも。愛しい日々にもありがとう、ということで

今日も一日お疲れ様でした。





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