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はじまりの景色

ルヴァン後の最初の試合。
ACLへの望みは限りなく薄く、一方で降格の可能性も限りなく薄い、所謂中位のもんやりした試合…には、全くならなかった。
選手の蓄積疲労は動きの重さを見れば簡単に伺える。伺えるけれど、「そんなこと言ってられん」「強くなるのだ」という意思もまたそこ彼処に伺えた。

来年こそ、という思いは今この試合から直ぐに始まっていると気づかせられるに十分なものだった。あの敗戦を感傷でも美化でもなく、前に進んでいくための原動力に使っていたように思えた。それは応援もそうだったのかもしれないけれど。

先週はもちろん勝てればよかったけれど、もし勝っていたらこの「より強くなっていこう」という思いにたどり着いていたかどうか。
負けたことで辿り着ける高さが上がった、と言えるなら結果オーライだ。

かなり久しぶりに(たぶん数年ぶりレベル)ゴール裏のゴール真裏で試合を見た。
座ってこそいるけど大声で歌う人たちがとても増えていた。昔それは当たり前ではなかった。
立ち上がって選手を迎え入れ鼓舞する光景も、昔は当たり前ではなかった。
そもそもレプリカのまま街を闊歩することだって。

何年にもわたって育ててきた風景。
今度は一段強いチームに相応しい風景を目指して一試合一試合育てていこう。
スティングを会場まるごとで歌うなんて場面も見てみたいな。

深井さんのルヴァン再放送のようなヘッド、むっちゃんの渾身のPK、美でしかないルーカスのゴールまでの流れ。
悔しさを超えた先にある、はじまりの景色の美しさをよく覚えておきたいと思った。

ひとしきり友達と呑んで帰ったら、残留争いをしているチームの直接対決が残っている関係で、それはそれはひそやかに今季の残留が決まっていたことを知った。これもまた見たことのない景色だ。

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