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遺影

笹かにかま
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左腕(ひだりて)に沈む
鈍くて太い針が
紛れもなく私を生かしている

愛や、怒りや、
哀しみや、憎しみが、
血となり 流れ込む

私は、ちっぽけで弱く。
一輪の雑花(さっか)として
凛としてあがき続け
総て終へて逝きたい

十余年生きた痩せた肢体に
そのままで良いと誇りたい

死ぬにはこんな夕がいい
世界はうわの空でいい
唯、最期に貴方の涙一粒が
土瀝青を濡らせばそれでいい

写真: ziN

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