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新環境へのキャッチアップを加速する1on1ハック術

こんちには、キャディ株式会社 プロダクトマネージャーの笹口です。

転職や異動など、新しい環境へのキャッチアップは誰しもに求められます。今日はそんな時に役立つだろうHOWを一つ、私の経験も交えつつまとめたいと思います。

1on1とは何か

そもそも1on1とは、上司とメンバーとが行う1対1のミーティングのことです。メンバー個々のキャリアプランと現在のタスクの関係性を整理したり、時にはメンバーの失敗について内省(気づき)を促して成長を促進したり、といったことを目的として行われます。

大体30分か1時間、毎週開催が基本のスタイルですが、メンバーが多い場合などは隔週で行っている人もいます。会議室でやることもあれば、カフェや社食などで行われることもあります。

私の前職のヤフーでも盛んに行われており、マネージャーに昇格した際にはしっかりとした研修も受けさせて頂きました。

1on1をハックする

さて、本来は上司とメンバーの間で行われる1on1ですが、これをハックして、上司でも部下でもない、他部署の人たちと1回きりで行うのが今日オススメしたいやり方です。

私はヤフーに入社してからの3カ月間で、80人以上と1on1をしました。1回30分なので、合計40時間以上1on1したことになります。

なぜそんなことをしたかというと、理由は2つあります。

・プロダクトマネージャーというポジション的に、早くプロダクトに関わる組織の全体像とキーマンを押さえたかった
・初めての広告業界だったので、知らない単語や慣習などについてとにかくInputを増やしたかった

ヤフーに入社した当時の私は、初めてのプロダクトマネージャー(当時の正確な役割はプロジェクトマネージャーでしたが。この辺の経緯は以下の記事を参照ください)業務に加え、初めての広告業界でわからないことだらけの状態でした。

もちろん本や社内の研修資料などを片っ端から読んではいったのですが、どうもプロダクトマネージャーとして垂直に立ち上がるには質も速さも足りないと感じていました。

そこで、当時の上長との1on1の中で、「各業務や組織で特に詳しい人と直接話してみたい。何人か紹介してほしい」と頼み、紹介してもらった人に突然の1on1を申し込んでみました。突然の謎の1on1依頼でも一回も断られることはなく、ヤフーの皆さんは本当にいい人ばかりで、本当にそこに救われたと思っています。

数珠繋ぎで拡げる

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上司から最初に紹介してもらったのは5人くらいでした。それだとすぐに終わってしまうので、私はそこから1on1をした人にこんなお願いをしていきました。

「入社したばかりで、広告も初めてだしわからないことだらけです。今日は大変参考になりました。是非色々な方から今日のようにお話を伺ってキャッチアップしていきたいのですが、どなたかこの人と会うべき!という方を紹介して頂けませんか?

これで大体の方からは紹介してもらえました。時にはそのまま挨拶に連れて行って頂けることもありました。

何人かにお会いした時点で、1on1した人をマインドマップで整理するようにしました。紹介してくれた方や既にお会いした方との関係性も保存できるし、どのような人だったのか簡単なメモを残すのにもちょうどよかったからです。だんだんマインドマップが大きくなっていくのは達成感もあり、3カ月間モチベーションを持続する上でプラスに働いてもいました。最大で1日に4人と1on1をしていたのですが、最後の方はかなりヘトヘトになるし、徐々に仕事も増えていくので、続けるには結構気合が必要でした笑

次第に仕事量も増えてきますし、「わからないので教えてください!」が通用するのも個人的に3カ月くらいまでかな、と思っていたので、それ以降は頻度を下げ、初めて働くエンジニアやデザイナーなどとの1on1を中心にしていました。

1on1は業務としてやろう

1on1させてください!というと、「じゃあごはん/飲みでもどうですか?」と言って頂くことがありました。それ自体は嬉しいし大変ありがたいことなのですが、本来の1on1も含めて、私は会議室などの執務スペースで、かつ業務時間内にやるのが良いと思っています。

一つ目の理由は話せる量です。ランチや飲みだと複数人での開催になることも多く、仮に1時間や2時間取ったとしても、実は話したかった人と話せる量は30分1on1で話した方が圧倒的に多くなります。

加えて、これは主観も入るのですが、会議室で執務時間内にやる方が、話の質がぐっと上がります。昼休みや夜だとプライベートな時間になるのでどうしてもフランクな会話が多くなりますが、業務時間内かつ会議室という空間なので、大抵のケースで仕事の話が中心になります。

また、数珠繋ぎで人を紹介してもらうのにも、その場でカレンダーを見ながら紹介してもらえるので、ランチの場でお願いして「後で紹介するね」と言われるよりも、紹介してもらえる確率が高まります(内容的に催促するのも気が引けるので)

以上3点から、ハックする場合であってもも1on1は業務時間内に、会議室などの執務スペースでやることをオススメします。

量が質に転化する

さて、こんなことをして本当に意味があったのか?という話ですが、結論としては思っていたより高い効果が得られたと思っています。

初めのうちに得られる効果は、仕事の相談ができる人が増えることです。

大きな組織だとなかなか相談先が見つからず、色々な人をたどってようやくキーマンにたどり着く、というのはよくあることだと思います。

こんなとき、1on1で繋がった人が他部署にいると、キーマンへのリーチが早くなったり、その人自身がキーマンだったりするので、相談先に悩むコストが減らせます。

次に得られるのは、純粋にノウハウの蓄積です。

本や研修資料だけではわからない、実際に現場で行われているやりとりを教えてもらえたり、営業がお客さんに提示している資料をもらえたり、時には相談を受けたりといった形でINPUTが得られるので、知識が体系化するスピードが上がり、より実践的な理解ができるようになりました。

本来であればプロジェクトベースで関わる人や扱う知識からのみのInputが中心になるので、初めの3カ月で多角的に情報を取得することができたメリットは大きかったと思います。

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そして3つ目は、やはり多くの人に自分を認識してもらえることです。

直接1on1をした人はもちろんのこと、結構自分が知らないところで自分の話をしてもらえていると感じることがありました。図らずも口コミ的な効果が生まれたことで、徐々に直接話したことのない人にも認知してもらえるようになっていきました。

当初は正直こういった効果は期待していなかったのですが、ここに一番「量から質への転化」を感じました。

キーマンを中心に短期間で広く認知して頂けたことで、ステークホルダーが多く難易度の高いプロジェクトへのアサインや、入社から10ヵ月での昇進などへと繋がっていったのではないかと思っています。

まとめ

まとめます。

・1on1は本来上司とメンバー間で行うものだが、ハックして社内の色々な人と話そう
・話した人にキーマンを紹介してもらい、数珠繋ぎでどんどん会おう
・ランチやディナーではなく、極力業務時間に執務スペースで会おう
・初めてから少しずつ効果が出始め、気づけば思っていた以上の後押しになることも

いかがだったでしょうか。1on1の文化自体がない環境だと少し苦労するかもしれませんが、1on1が浸透している環境であれば是非試して頂きたいですし、そうでない環境でもトライして頂く価値のあるハックだと思っています。皆さまのキャリアに少しでもお役に立てれば幸いです。

最後に、今所属しているキャディでの1on1ハックの使い方について触れます。

1on1ハックは業界レベルでも効果を発揮するか

ここまでその効果を語っておきながら、実はキャディに入社してからは1on1のハックはしませんでした。

初めはやろうとも思ったのですが、そもそもオフィスが小さく、ディスカッションやワークショップの機会が豊富にあったため誰とでもすぐ話すことができたのと、自分が組織にキャッチアップする以上のペースで自分が組織を大きくする側に立つことを求められたため、それどころではなかったというのが正直なところです。笑

一方で、現在は製造業という巨大な産業の成長に少しでも貢献できるよう、少しでもキャッチアップを早めようと、業界レベルでのトライを始めています。

具体的には、製造業に関わられている人を紹介して頂き、同じように数珠繋ぎで会うことを始めています。今のところ月に4~5人はコンスタントにお会いできているような状態です。もちろん会社では会えないので、朝カフェやランチ、夜の飲み会などでお会いしています。

ヤフーという会社一つとは比較にならない規模なので、効果を感じるのは少し先になりそうですが、規模も業態も業種も異なる方々のお話をお聞きすることで製造業を多角的に捉えることができ、ヤフーで得たのと近い効果を得られるのではないかと思っています。
なので、もし製造業に関わられている方やそういった方をご存じの方がいらっしゃいましたら、是非ご連絡頂ければと思いますので、どうぞよろしくお願い致します!

最後までお読み頂き、どうもありがとうございました。

Twitterでも日々製造業やプロダクトマネジメントのトピックを中心につぶやいていますので、是非フォロー頂けたら嬉しいです。気軽にDMもお待ちしております。


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