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とりあえず動くー日々のストレスとひゃくえむ。を読んでー

これまで:夢を持つ自分と、ありきたりな臆病さ

まずは自分のことを話そう
自分は、日々趣味について研究をしてまとめている。物語ジャンルの歴史や、物語から見る社会、物語の表現などなど、物語に関連することを考えることが趣味である。高校時代に漫研・文芸部に入ってから30過ぎの今に至るまで、じわじわとそうなり、大学時代には完全にこうだった。
仲のいい友人も、そういった人ばかりといってもいい。

十数年もそんなことをやっていれば、ある程度知見もたまっていく。まとめたものや考えかたにも自信もついてきたし、知人に話しても評判は悪くない。
いつしか何かを書いてみたい、評論でも、歴史でも本を書いてみたいなんて思いもわいてきたし、友人にそんなことを言ってみたりもした。

でも、何か文章という形でまとめて世間に出したことはほぼなかった。

他人が理解できるように書くのは容易いことじゃない、という気持ちはもちろんある。たとえば、自分が勢いでごまかしている理屈を自覚してしまうことも多々あるし、相手の反応を見て語り口を変えることもできない。そんな難しさに直面して筆が動かなかったと言えばウソではない

しかし、これはありきたりな言い訳である。行動しない理由を技術という何かそれっぽいものに求めているだけなのだ。
結局のところ、自分の内側にあったのはそこらへんによく転がっている臆病さにすぎない。自分の文章が他人に受け入れられることが、いや、そもそも自分が文章を公の場に出す、出し続けるということすら一切想像できていなかっただけのことなのである。

勝手に蓄積される技術がいつか花開いて自信につながり、大歓声のまま読者に受け入れてもらえるそんな夢物語は、出さなければ天才のもとにすら到来しない。

きっかけ:では、なんで文章を書き始めたのか?

書き始めた理由は2つある
理由の一つが、日々のストレスだ。
幸いストレスといっても、上司に怒られているとか、仕事が忙しすぎるというわけではない。その点すごく恵まれていて感謝をしている
だが、自分にとって致命的なのは、仕事に一切納得がいっていないことなのである。組織の在り方にも、商品の品質にも、自分の仕事の出来にも・・・自分の実力が無いのも理解しているが、それでも遠くないどこかで我慢の限界がきそうだ。
そんなわけで、夢である文章を書きを始めたいという気持ちが強くなっていっていたのである。

もう一つの理由が、ひゃくえむ。を読んだことである

「ひゃくえむ。」は「チ。―地球の運動について―」の作者である魚豊氏のデビュー作だ。この作品を象徴するセリフの一つはこれだろう

「たいていのことは100mだけ誰よりも速ければ全部解決する」

出典:ひゃくえむ。

これを受けて、イジメられていた小学生が狂気的な情熱を燃やすのである。

結果を出せば解決する。しかし結果を出せなければどうなるのか…
そんな、戦うことを、自分に挑戦し続けることを求められる世界を描いていた魚豊氏だが、OBの講演会という形で財津選手にこのようなことを語らせている。

「浅く考えろ 世の中舐めろ 保身に走るな 勝っても攻めろ」
「……試合前 私は敗北を恐れず 内容を重視する 同時に 敗北に震え 何よりも結果を欲する」
「不安は対処すべきではない ~中略~ 恐怖は不快ではない 安全は愉快ではない ~中略~ 目をそらすな きみがやりたいことは何だ?」

出典:ひゃくえむ。

何ともドストレートな、行動へのエールであると自分はとらえた。いや、とらえただけじゃない、自分の心に刺さった。

知り合いに言われてもこうは刺さらなかったと思う。行動しろなんてそんなことは分かっているのだ。
だが、なぜか刺さった。魚豊氏のセリフ回しが良いというのもあるだろうが、漫画で物語に入りこむことで実感を持って受け入れることが出来たのだ

これから:三日坊主にならないようにと

今更ながら物語に生かされているなと思う。
自己認知を初めてできた時は、あるアニメを繰り返し見て、同じ場所で何度も泣いた理由を理解した時だった
勉強のベースは、物語についての研究をしているときに身に着いた
今も付き合いのある友人とは物語が好きな人との付き合いばかりである
どこを見ても、物語によってもたらしてもらったものばかりだ

だからこそ、物語に、作家に何かお返しをしていかなければならない
自分のちっぽけな臆病さや欺瞞に騙されている場合ではない
書いていてこのセリフを思い出した

――――世界は、いつでも君の革命を待っている

レストP 「陽気なアイドルが地球と踊る 15-中」

こんな中二病すら抜け切れていないような自意識満載の文章でも、書き始めなければ何にもならない。

出来るところから、まず始めるとする
まず目標は、三日坊主にならないように

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