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土木設計者向け構造計算支援

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#工学的理解

細長比の感覚的理解

細長い部材の安定性を考える際、細長さが重要となる。その際、細長比(ほそながひ)という指標が用いられる。細長比$${λ}$$(ラムダ)は名前の通り物体の細長さを表し、数字が大きければ細長く、数字が小さければ図太くなる。 $$ λ=\frac{L}{i} $$ ここに$${L}$$は長さ、$${i}$$は断面二次半径である。断面二次半径の説明は別項に譲る。 一般に、物体が細長いか、図太いかを判断する際に、長さと太さの比率を考える。下図のとおり、太さについては円柱であれば直径

断面二次モーメントの感覚的理解

物体の曲げやすさ・曲げにくさを表す指標として断面二次モーメント$${I}$$がある。慣性モーメント(moment of inertia)とも表現されるが、土木工学の構造力学の分野では前者のように表現することが多いため、ここでは断面二次モーメントと呼ぶが、同じものである。慣性モーメントの方がイメージがつきやすいが。 例えばプラスチック定規を曲げる際に、下図のBのように薄い方向に曲げると曲がりやすく、Aのように太い方向すなわち幅方向に曲げると曲げにくいのは、断面二次モーメントが