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第四章新しい出会い #06恋

浪人生活は、暗くて辛いものだと思っていた。もちろん恋なんかできないと思っていた。でも、私は恵まれているのかもしれない。予備校の授業は長いし辛いこともあったけど結構楽しかったし、友達との時間も楽しかった。そして、恋もしていた。予備校の人ではないけれど。蕎麦屋の高田さんだ。いつの間にか良い人から好きな人に変わっていた。まぁ、5歳も年上だし、完全に憧れの人で付き合うなんて無理だとは思うけど。高田さんのことを考えるだけでドキドキした。

授業や自習がひと段落して、マッツンとイクちゃんと休憩がてらタリーズに行くことにした。マッツンはタリーズでバイトしてたことがあって、いろいろオススメを教えてくれた。それからココが好きになって、たまに一人で勉強しに来るようになった。店内BGMもおしゃれで落ち着くし、長居できる雰囲気がいい。3人で予備校のキャラの濃い先生の話や目指してる大学のこと、もちろん恋バナもした。イクちゃんは特に好きな人がいないみたいだけど、マッツンは予備校で仲良くなったリョーヤンが気になっているということが分かった。私も高田さんのことを話したら、2人とも応援してくれた。恋バナって、いつになっても楽しいよね。

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