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第三章 大学受験 #02期待と現実と

受験まであと2ヶ月。時が経つのが早すぎる。焦りは増すばかりだが、やる気が起きないのが不思議だ。でも、周りの人たちは応援してくれるのだからありがたい。バイト先の澤部さんは、相変わらず話が続かないけど、「佐藤ちゃんには受かってほしいなぁ。がんばってね。」と言ってくれた。うれしい。そう、いつの間にかバイト先ではみんな私のことを、佐藤ちゃんと呼ぶようになっていた。何だか距離が近づいた気がしてうれしい。岩井さんは、合格祈願のお守りを買ってきてくれた。岩井さんと二人でシフト入ってる時に、林さんがショートケーキとチーズケーキを買ってきてくれた。お客さんがいない時間にこっそり食べた。綾香さんは、手作りクッキーを焼いてきてくれて、「頑張ってね!」と優しい笑顔で渡してくれた。高田さんは、「今までやってきたことを信じてやれば大丈夫。がんばって!」と事あるごとに励ましてくれた。私は、本当に人に恵まれている。

私は焦っていた。いまだに模試では、D判定。心のどこかで無理かもしれない、と思っていた。でも、絶対に浪人だけは嫌だ。何が何でも受かってやる。もう一度、自分に喝を入れ直した。

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