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ここが良かったWWDC24

日本時間の6月11日深夜2時に開催されたAppleの開発者向け発表会「WWDC24」。
やっぱりAppleが出す新情報は気になるもので、 自分はApple Eventと共にWWDCも毎年見ています。
この記事では今回見ていて「これ良いじゃん」と個人的に思った内容をまとめてみました。

iPhoneへの『ゲームモード』の搭載

Appleシリコン搭載のMacで使えるゲームモードがiPhoneでも使えるようになります。
やはりゲーマーとしてはこの機能はとても助かります!

ゲームモードは、対応タイトルを起動するとゲームがCPU / GPUに最優先でアクセスできるようになり、バックグラウンドで動いているアプリの使用率も下げてゲームを快適に遊べるようにする機能です。

PS5コントローラー(Dual Sense)やAirPodsの反応もよくなるみたいです。ワイヤレスイヤホンでよく見る低遅延モードみたいなやつですかね。

今回の発表会では対応タイトルとしてmiHoYoの最新作『ゼンレスゾーンゼロ』を紹介していましたが、『アサシンクリード ミラージュ』みたいなMacのAppleシリコン対応タイトルでスマホと同時展開されてるやつもiPhoneのゲームモードに対応するだろうし、『原神』のような「重量級」と言われるタイトルもApple側が声かけるだろうから多くの有名タイトルが対応してくれそうな気がします。

もちろん、iPhoneだけでなくiPadにもゲームモードは搭載されますよ。

一応補足ですが、「おやすみモード」などの集中モードにある「ゲーム」はまた別ですからね。これはゲーム中は自動で通知を抑えるってだけなので。

アプリに鍵をかけられるように

友達にiPhoneを貸すときなど、「これだけは触られたくない」というアプリを生体認証やパスコードでロックできる『Lock an app』という機能が追加されます。

連絡先やLINEを見られないようにするだけじゃなく、そもそもホーム画面に置いてあるのを見られるのが恥ずかしいアプリなんかは、『Hide an app』というもう一つの機能でホーム画面から隠し検索にも引っかからないようにできるので、「このアプリなんだろう?」と思われることすらありません。

個人的にLock an appは『Notion』のように個人情報が入っているけれど、コンテンツ自体に鍵がかけられないアプリに使えると思いました。
アプリ内で鍵をかけられなくても、アプリ自体に鍵をかけて起動できなくすればいいですしね。

あとはこの機能が手軽にオンオフできるのであれば、小さい子供にスマホやタブレットを渡すときなどに特定のアプリをロックできれば良さそうですよね。

ま、自分はiPhoneを貸す友達もいなければ独身で子供もいないのですが!

MacからiPhoneを操れる『iPhoneミラーリング』

もうここまで来たかと思える進化。

Macから自分のiPhone(たぶん同じiCloud上のHandoffで認識してるやつ)をワイヤレスで画面に映し出してそのまま使えるようにする機能です。

iPhone届いた通知をMacで確認できて、その通知をタップすればiPhoneミラーリングが自動で立ち上がり触れるようになる。わざわざiPhoneを手に取らなくてもMac上でアクションが出来るわけです。

これの何が面白かったって、イベントではiPhoneミラーリングを使ってiPhoneアプリの『Unfold』でSNS投稿用の動画を作成していて、足りないクリップをMacから直接iPhoneミラーリング上にドラッグアンドドロップして追加していたところ。

画像加工のアプリによってはMacよりもiPhoneの方が使いやすいものもあって、一旦Macで素材を作りiPhoneにAirDropで送ってから仕上げ、みたいなこともたまにあるので、Mac上ですべて完結出来るとかなり便利になります。

『学園アイドルマスター』みたいなスマホのみの縦持ちゲームもMacで遊べるようになると色々世界変わりそう。「iPhone上のアプリをどれでも開ける」とは言っていたのでゲームも開けるとは思いますが……。

『Apple Intelligence』略してAIがすごい

一番長い時間かけて説明があり、反響も最も大きかったAppleによるAI戦略。

AppleはUI/UXを鬼のように詰める会社なので、使用者に「生成AIを使わせようとする」意識すらさせずに自然に、いつもの作業の延長線上どころか仲間が隣にいて寄り添うようにAIを使わせるシームレスな体験を提供しようとしています。

今後AIが生活に溶け込んでいくことはもう必然で(というか前から当たり前に裏の処理では使われていますが)、Appleがその未来を視覚的に分かりやすく、示してくれたと思います。
個人的には自分が描いたラフスケッチをイラストに変換してくれる機能が、わざわざ別アプリを立ち上げなくても純正メモ内で使えるようになるのが嬉しかったです。
脳内のイメージを固めるのにすごく使える。

あとはAppleの強力なプライバシーポリシーがAIにも組み込まれているところも、利用者が安心して使えるので良いですね。
今までAIを使う=学習利用されると同義だったので(全部が全部そうではないです)、Apple自ら「まったく新しいAIのプライバシー基準を生み出し、信頼できる人工知能を解き放ちます」と大々的に打ち出したのはビッグテック企業として素晴らしい姿勢だと思います。
まぁ……Apple Intelligenceから送信されないだけで自分でネットに出したら意味ないのですが。

Googleの『Gemini』なんかは結局『ChatGPT』で流行した生成AIの文脈に則って「こっちの方が応用が利くぞ!すごいぞ!」とアピールしているので、「プロンプト」という魔法の呪文を唱えてあげる必要があったんですよね。(今後はもっとOSに統合されるようですが)

MicrosoftはWindowsを大きくAIに舵を切ってCopilot+ PCという戦略を打ち出していますが、これもユーザーにシームレスな体験を提供しているとは言い辛く、Copilotを最初にチャットボットとしてリリースしてしまったのでまだそちらに引き摺られている感じがします。

なぜAppleがこれだけシームレスな体験を提供出来ているかのように見えるかというと、どれもこれもハードウェアからOS、ミドルウェアまですべて内製で作り、綿密に連携出来ているからなんですね。
Mac / iPhone / iPadと、PCとスマホどちらも作っているのも大きい。
Windows+Androidでは絶対出来ないですからね。

問題があるとすれば、この機能は今年にアメリカでのみ一部機能がベータ版で提供されるだけで他言語は来年以降っていうのが……。
日本語ではよ使わせてくれ。

AIとはうまく付き合っていきたい

先ほども書きましたが、今後AIは生活に溶け込んでいき当たり前に頼る存在になると思います。
とはいえ、ただでさえ現状スマホやPCに頼っているせいで知力や学力の低下を感じていて、もっと賢いAIを使うのが当然になれば衰えていく一方だと思うので上手く補助はしてもらいつつ、自分の脳を使うことをやめないようにしたいですね。

以上、個人的に良いと思ったWWDC24で発表された機能でした。

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