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泣いている人

先日、一緒に働いている女の子がポロポロと泣いていた。隠れるように、でも止められなくて本当にポロポロと涙を落としていた。
私よりも身長がかなり高くていつもシャキッとしていてテキパキと動いている彼女だけど、その時のその姿は少女のようで、ついつい背中をさすって抱きしめた。立ってたから私が抱きついたみたいになっちゃって情けない感じになってしまったけど…

他の人の話を聞いてかわいそうだと、でも何もしてあげられないのが悔しくて泣いちゃったと話してくれた。

私も同じ話を聞いていたけど、
泣くことはなかった。
心がざわついて、どう声を掛けたらいいのか迷いながら私なりに話を聞いていただけだった。


段々と徐々に、歳を経る毎に心が冷たくて硬くなっているような気がする。
よく言えば「割り切れるようになった」
のかもしれない。
私には出来ない無理なこと、
私が介入してはいけないこと、
所詮はよそ様のこと。

私が若い時ならばきっと、私も泣いていたと思った。
10年前だったらきっと、泣いていたと思った。
今は泣けなくなった私が悔しくて、私のことで私のために私は、ひとりで泣いた。
無駄な涙だなと思ってまた泣いた。
誰かと共感しながら泣けるほどの若さは無くなったんだと思って無理矢理、笑ったけどやっぱり泣いた。





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