悪天候で、学校が休みになるのは、どんな時?

こんにちは!サルタックの真衣です。そろそろ台風の季節ですが、香港でも、ちょうど台風の襲来を受けました。8月下旬に新学年・新学期が始まった矢先の休校となり、夏休みが終わったことを残念がっていた子どもたちは、嬉しそうです。ふと、自分も子どものころは台風が来ると、休校になるかも、と期待していたことを思い出し(安全な家があることを前提とした不謹慎な態度ではありますが)、悪天候での学校の対応について、振り返ってみようと思いました。

(Hong Kong Observatoryのウェブサイトより)

1.香港の場合

学校の休校に関わる天気の警報・注意報は、大きく分けて2種類あり、強風に関するもの(Tropical Cyclone Warning Signals:5段階)と、大雨に関するもの(Rainstorm Warnings:3段階)です。香港天文台からの発表を受けて、強風も大雨もそれぞれ真ん中の警報段階となると(強風:T8、大雨:Red)、休校となることが、香港教育局(EDB)によって定められています
具体的に、休校の判断は何時時点に警報が出ていた場合なのか(午前5:30時点かそれ以降8:00まで等)、登校した後に警戒レベルが引き上げられたらどうなるのか(強風の場合は、速やかに児童・生徒を安全に帰宅させる方策をとる。大雨の場合は、基本的にはそのまま下校時まで授業を続ける等)、日中に警戒レベルが引き下げられたらどうするのか(全日休校の連絡がなされていなかった場合は、通常通り)等々、細かく規定されています。教育局が定めたこの方針をもとに各学校が動くため、分かりやすいシステムです。

ちなみに、上記の強風警報T8が発表されたために、今回は休校となったのですが、香港の日本領事館も臨時休館となっていました。学校だけでなく、公共施設お店も閉まる場合が多いようです。

2.イギリスの場合

台風とは縁がないイギリスですが、学校が天候のために休校となったことがありました。雪が積もったのです。寒冷な気候ではあるものの、オックスフォードでは雪はなかなか積もらないために、雪が積もると交通機関も大いに乱れるようでした。
以前のブログでも少し紹介しましたが、「雪のために学校に来られない先生がいるため、今日は休校です。」という連絡が印象的でした。ホームページの連絡に気づかずにいつも通り学校に行ってしまった子どももいて、敢えて休みにする必要があるのかな、と思ったりもしましたが、学校近くの公園は、そり滑りや雪だるま作りなどを楽しむ人たちで賑わってました。
結果的には、通学・通勤に伴う危険も回避され、貴重な経験ができた子供たちもいて、無理のない妥当な判断だったんだなと思います。

3.日本の山間部の場合

コロナ等、感染症の予防による臨時休業は学校の設置者である教育委員会ですが、台風等、非常変災の臨時休業の判断は、学校教育法施行規則により、校長に委ねられています。このため、台風が近づくと、学校が休みになる可能性も出てきます。

ちなみに、私が住んでいた海と山に囲まれた地域では、小学校の頃は暴風警報が出ると休校でしたが、大雨警報では、必ずしも休校とは限らなかった(がっかりした)ような記憶があります。一方高校では、生徒の通学範囲が広がって列車通学の生徒が出てくるため、列車が止まる場合は(他に代替の交通手段もないため)休校となりました。つまり、激しい雨や高潮でも(列車が海沿いを走るため)休校となる場合があり、休校の可能性がぐっと高まりました。ただ、高校生ともなると、また休校なんだ、大丈夫かなと、文化祭の準備の進捗や授業へのしわ寄せがやや心配になった記憶があります。

その後と、振り返り

就職後、台風が近づく中で、明日の朝は出勤間に合うかな、と話していた時に、同僚が言っていた言葉が印象的でした。中学校・高校生活をアメリカで過ごした彼女が言ったのは、「台風でも、日本ではみんな頑張って来ちゃうよね。休みにすればいいのに。」 確かに、と思ったのをよく覚えています。悪天候で交通機関が乱れていても時間内に出勤できるように余裕をもって早めに出たり、迂回ルートを探したり。。
もちろん、職種にもよりますし、どうしても出勤が必要な場合もありますが、そうでなければ、通常以上の努力をして通勤する必要はないのではないでしょうか。テレワークへの対応力が社会全体で高まった今、悪天候の場合には出勤不要、ということがしやすくなっていくと良いな、と思います。

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