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Grade 9-Second Semester: Bits and pieces, and another turn

2月17日 金曜日

この日は放課後、ミドルスクールでDiscoがあった。学期末にちょこちょこ開催されたパーティーだ。
DJ台や照明が用意されてキャンパスのホールで学生たちが踊る。

ミドルスクールの男の子たちと連んでいたIちゃんから、一緒に行こうと誘われてCちゃん、あと家族に会いにデンマークから来ていたLちゃんも誘って懐かしのミドルスクールに行った。最初行くのを渋る私にいい息抜きになるから、チケット代を私が払うから。となかば強引に参加を決められた。
ディスコでは上級生特権のDJをするという話だった。
即興でズンチャンズンチャンしてる中で踊り散らすのは嫌いだったからDJなら…とLちゃんとも再会できるし行くことにした。

Iちゃんのお家のメイドさん(母国ではアジア圏から出稼ぎに住み込みの家政婦さんがいる家庭は当たり前だった。逆に日本人家庭が家政婦さん雇っていない人が多く珍しかった)が作るIちゃんの出身の郷土料理が食べたくて、イベント開始時間までIちゃん家で過ごしていた。
当時はやっていた日本のドラマ配信を見たりしてたんだろうなあと思う。

やっぱり私の予定を把握しているHageから「ディスコ楽しんでこい」とメッセージが届いていた。
お前は何様なんだよ と今の私なら確実に返信するやつ。

2月18日 土曜日

こないだ、Kuriは「Lは好きじゃないよ」と言っていたのにこの時はやっぱりLが好きだと悶えていた。

彼は反論するだろうけど、Kuriはいつも数人を同時に好きになる人だった。だけど、何度もLちゃんに戻ってくるKuriのこの気持ちは、本当なんだろうなと思っていた。

恥ずかしがり屋のLちゃんと出かけるには他の女子も呼ばないといけない。
ほぼほぼそんな理由で私とCちゃんはLちゃんとKuriに同行する形で一緒に映画を見た

どうやらKuriが一部抜粋して見せてくれた会話によると、LちゃんもKuriのことは好きではいて、ただそれが恋愛として好きなのか友達として好きなのかすごく微妙な言い方だった。
「じゃあ、どこか一緒に出掛けてみる?」というKuriの誘いも、いいよ他誰呼ぶ?と言われてしまいKuriは混乱していた。

ピンクパンサーを観に行った。
決して面白いとは言えなかったことを覚えてる。
チケットを買う時に、わざと2vs2と離れた列でCちゃんと企んで取った気がする。
LちゃんとKuriを一緒に座らせるように仕組んで、私とCちゃんは2人で座った。

Lちゃんのことで悩むKuriを羨ましく思ったのか、あるいはEくんを思い出す「映画館」という場所と「学校の友達と会う」シチュエーションがEくんを連想させたのか、この日の夜突発的にEくんの声が聴きたくて仕方がなくなった。

S:実はすごい彼に電話したかったんだよね
I: まじで???何のために??
S: わかんないけど
なんか考えを聞きたくて
I: 何について?
S: わかんない。なんか最近どう思ってるの?とか
I: oh~~~~~

私から積極的にEくんに話したいというのは珍しかった。
MSNで話していたIちゃんも急な話に驚きを隠せない様子。
だけど、話すタイミングを逃す前に行動しちゃえと私の背を押した。

電話したい気持ちはあるものの、怖くてその通話ボタンを押せずにいた。この時Iちゃんには伝えれなかったけど、本当は「Eくんのことがまだ忘れられない」そう伝えたかった。そして、すっぱり前を向いて歩くためにそんな自分を拒絶して欲しかった。Eくんは既に歩き進めていると思っていたから。

抑えきれない気持ちはどこへ行くこともなく
戻ることなんて出来ない時計の様にホラッ
今 アナタへ
アナタだけに向かって私は恋をしている

Song for/HY

抱えきれないくらいに堰き止めていた気持ちが決壊寸前でどうしようもなかったんだと思う。

電話を、思い切ってかけた。
ディスプレイに私の名前が表示されたら、Eくんは電話を取らないだろうとも思ってどちらかというとそっちに賭けていた。

電話をかけたのは21:30前。
Eくんは外にいて、隣にMarioくんが居たみたいだった。
たぶん、あれはバンドの練習でスタジオに居たんだったけ、Eくんのいつもの友達グループでボーリングにいたんだっけ。

E: もしもしー?
後ろの方でM: ((だれー?))
S: もしもし
E: あーSarryちゃん? (Marioくんに対して:Sarryちゃんやー)
あははーうん、どうしたんー?

Iちゃんとの会話から想像するにこんな感じだった

色々話す内容をIちゃんと整理していたものの、全然話せなくて、緊張しすぎて、Marioくんがすぐ近くにいるのは想定外すぎて、脳内でリハーサルした通りに進まなかった。

S: えっと、うーんっと 急にごめんね。
最近Hageとは大丈夫?
E: えっ?えー大丈夫ちゃう?こないだも話したし
S:あーそっか よかったよかった。変なこと聞いてごめんね
E: えぇー急に電話なんかしてどうしたん?なんかあったのー?
S: あっ
E: (同時に)あっ いーやいーや ちょっと俺今行かなあかんからまたね 電話ありがとう

2人同時に話出しちゃったんだ と報告する私

実はこの後日談ー
バンドキャンプ(合宿)のときに判明するのが、Eくんが携帯を落下させてしまいディスプレイを破損してしまっていた。だからSMSには反応できず、電話しか取れない状態だった。
だからこそ最初は「もしもし誰ですか?」となった。
私は自分の番号消されちゃったのかなとさえ思っていた。状況が状況だったから。

話したことで全然すっきりはしなかったけど、電話で話した感じはあの優しいEくんそのもので何も変わってないや嫌われてはいないんだと安心しちゃう自分がいた。

これ、2022年にも思い返せばまったく同じシチュエーションがあって、そのときの私の感想もまったくこれだった。
Notesに書ければいいなあ 追いつくかな 笑
なんでこうも切ないのかなあ


2月19日 日曜日

翌日。

Eくんがオンラインになっていたので、話しかけた。

「昨日は変な電話ごめんなさい」

返事は全然返ってこなくて、Eくんはオフラインになってしまった。あれ.…やっぱ嫌われてるのかなあ.…そう思ってイラついたり、悲しかったり。
ちょうど話していたマッチョに昨晩の電話のことを話す。

マ: Eくんの反応はどうだった?
S: なんか 笑ってた?微妙に
マ: うわ〜

マッチョは「笑ってた」を悪い意味で捉えてた。
私が散々Eくんのことを悪く言ってたから仕方がないか

他に人がいる中で、あまり話はしない方が良かったかもね。
そうマッチョは言っていた。Sugarちゃんも追々この話をした時に言ってたかもしれない。

そうこうしている中でEくんからピコーンとチャットが来た。
マッチョと私の心配をよそに、ハイテンションなEくんだった。

この頃の私たちは「既読スルー」という概念がなかったのか。
ただ、ごめんねと伝えただけの一言にEくんはわざわざPC再起動後に返信してくれた。
今思えば、Eくんはずっと律儀に返信くれたよね。

予想外の反応すぎて少しおどおどしながら「あ、パソコンバグったーって(MSNのニックネームで書いてた)やつ?」と返信した。
あーうんw
おめでちー
ははは.…ははは
気まずい空気が流れる。

Grade10が締め切りに追われるMYPプログラム最難関のプロジェクト(自由研究のハイレベル版であり卒論の入門版に値するMYP卒業に必須の課題)に関して少し話した後に私は会話を絞めに入った。

頭の中にだけEくんに伝えたいことばかりあって、それを上手く言葉にする技術を持ち合わせていなかった。
こんな暴走する私によくもEくんは落ち着いて付き合ってくれたなと感心する。

何かを悟った上でEくんはSarryちゃんもじゃーがんばってと言った

ここから、私の発言をきっかけに12月以来閉ざしていた想いをお互いに打ち明ける流れになる。
他のチャットウィンドウではIちゃんやマッチョを巻き込みながら。

続きます

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