wacci -laugh mix-
wacciのことを「知らねー笑」とバカにした友達に言ってやりたい。
こんなに老若男女から愛される素敵なバンドを知らないなんてもったいないね、って。
MC中にボーカルの橋口さんが「みんなにとって自慢のバンドになりたい」って言ってたけど、もうなってるよ。
1ミリの恥ずかしさもなく大声で「wacci」が好きだって言えるし、そんな自分を誇りに思う。
改めてそう思わせてくれたライブだった。
wacci Hall Tour 2023~2024 -laugh mix-
2024.02.03 @LINE CUBE SHIBUYA
今回のライブツアーのタイトル「laghu mix」
本当にタイトル通りのライブだった。
会場のみんなが良いライブを作ろうとしているのが伝わってきたし、すごく温かくて幸せな空間になった。
毎回思うけど、wacciのライブは「多幸感」という言葉が似合う。
私の席の周りは、隣は10代くらいで前列には50代くらいの方やおじいちゃんもいて、wacciが幅広い世代から愛されているんだと実感した。
特に、座っている人も多い時におじいちゃんが立って手拍子をして楽しんでいる様子を見てなんだかじーんときて、涙がほろりとこぼれてしまった。
こんなに色んな世代を惹きつけるバンドってなかなかいないんじゃないかな?
wacciのメンバーもみんな楽しそうに歌ったり演奏したりしていて、その姿に呼応するように会場も盛り上がった。
さて、今回のセトリはこちら。
画像だと文字が小さいので、ドラムのよこやんヨコヤンのポストの方が見やすいかも。
今回は歌詞がスクリーンに映し出される曲が多くて、より言葉が伝わってきた。
これまで聴き流すことが多かった曲も、歌詞を読みながら聴いているとグッとくるワードが見つかった。
ここからは、私が特に印象に残った曲やMCについて書いていきます。
M01 別の人の彼女になったよ
スクリーンに映し出される映像を見終わったら、wacciがステージに立っていた。私は登場に気づいていなかったので、いつの間に?!とびっくりした。
印象的だったのは、メンバーの表情があまり見えなかったこと。
メンバーの背後にあるスクリーンは真っ白な画面が続き、その明かりの中だけで演奏された。
表情が見えないことで、より歌詞に集中できたし、ここからライブがどう進んでいくんだろうというワクワク感が高まった。
また、スクリーンが真っ白なのは、これからみんなで色をつけていくという意味なのかなと勝手に解釈して、「一緒にライブを作っていくぞ!」という気持ちになれた。
M04 宝物
終盤に歌われることが多いイメージのこの曲。
イントロが始まった時に「もうこの曲やるの?!」とびっくりしたけど、聴き進めていると納得した。
「君」は会場にいるファンのみんなのことで、宝物のようなみんなとライブを作りたいんだと伝えてくれているんだ、と。
私の勝手な解釈だから実際のところは分からないけど、この曲で会場の一体感が増した感じがした。
M07 あの子
MVがスクリーンに映し出されて、絵本を読んでいるような感覚になった。
絵はシンプルでわかりやすいし、話の内容も淡々と進んでいくんだけど、すごく考えさせられる感じ。
もしかしたら誰でも心当たりがあるんじゃないかな。「あの子」の立場の人もいるだろうし、「僕」の立場の人もいるだろうし、最後に笑い出した誰かの立場の人もいるかもしれない。
学校だけでなく、会社や趣味のコミュニティでも同じようなことは起こる。
私は「あの子」に似た立場になったこともあるし、そのくせ「僕」のように傍観者になったこともある。
この曲を聴くと自分の弱さや汚さに否応なく気づかされて胸がぎゅっと苦しくなるんだけど、橋口さんの優しい歌声は誰かを責めることも諭すこともなく、何を感じてどう考えるかを聴き手に委ねてくれていて、それが救いになる。
M09 「恋だろ」の前に橋口さんが言った。
「人と違っていいんだ、自分は自分でいいんだ。振り返ってみると、そう言い聞かせるような曲が多い」
まさに私がwacciを好きな理由だ。
上か言うのでもなく、「みんな違っていいんだよ、気楽に行こうぜー」みたいな陽キャでもなく、「とにかく他人のことは気にするな!」という根性論でもない。
そこに到達した人からのありがたいお言葉ではなく、まだ到達できていない人の独り言のような、少し頑張って自分を奮い立たせているような温度感が私は好きだ。
私はひねくれているので、上から言われたり、明るくキラキラした人に言われたりすると、「うるさいな」と思って素直に受け取れない。
でも、wacciの場合、「私と同じような目線の人、まだ完全には『自分は自分』に到達していないけど自分に言い聞かせながら頑張っている人がいる。だったら私も頑張ってみよう」と思える。
M12 今日の君へ
何度も私の心を軽くしてくれた大好きな曲。
私は自分に厳しくて、自分を褒めることや認めることがなかなかできない。反対に自分を責めたり追い込んだりすることは簡単にできてしまい、苦しむことが多い。
「今、自分を責めてるな」と気づいた時に聴くのがこの曲で、「だってwacciがこう言ってくれてるんだもん」と自分に優しくする口実にしている。
今回ライブで聴いて、自分を責めている時に限らず、いつでも自分に「頑張ってるね」と言えるようになりたいと思った。
(この曲をヒントに書いた過去記事も読んでもらえたら嬉しいです)
M16 最上級
この曲でライブが完成した気がした。
会場が2つのパートに分かれてコーラスをし、それに合わせて橋口さんが歌い、小野くん、はじめちゃん、慧慈くん、ヨコヤンが演奏する。
みんなが同じ気持ちで一体となったのが感じられたし、会場の熱気も一段と上がった。
改めてライブで声を出せる喜びを感じられた。
この曲の後のMCで橋口さんが話したのが、wacciがどんな存在でいたいかについて。
「流せなかった涙を流せる理由になったり、許せなかった自分を許せる理由になったり、笑えなかった時に笑える理由になったり、そんな何かの理由になれる存在でいたい」
この言葉を聞いて妙に納得した。だから私はwacciが好きなのか、と。
wacciの曲は、心の奥底にしまい込んでいた気持ちを思い出させてくれたり、自分では気づいていなかった気持ちに気づかせてくれたりする。「ああ、私泣きたかったんだな」「こんな言葉を欲しがってたんだな」「本当はこうなりたいんだな」と思えるのだ。
私にとってwacciは、涙する理由や自分に優しくなれる理由、前を向く理由になっている。自分一人だけでは出来なかったことが出来るようになるからwacciが好きなんだ。
例えば今回のライブで言うと、M02 坂道。
この歌詞を聴いて涙が溢れた。周りが楽しそうに手拍子する中、一人号泣してタオルで目を覆う私。
最近、何か特別なことがあった訳ではないけど心が折れていた。noteで書きたいことはあるのに、いつもみたいにスラスラ言葉が出てこなくて記事が完成しないし、派遣の仕事を始めてもうすぐ1年だと気づいて、フリーランスコーチを目指しているのに1年前と変わっていない状況に焦りと苛立ちを感じたり。
でも「坂道」を聴いて、本当は諦めたくないんだと気づいたし、「さあ ここからだ」という歌詞にもう一度前を向こうと思えた。
ライブから1週間以上かけてこの記事を書いているくらいなので、出口はまだまだ見えないけれど、noteを書くことを辞めたくはないしフリーランスになることも諦めたくない。
「坂道」は自分を奮い立たせる理由になった。
ここに書いた以外の曲もどれも本当に素晴らしかった。また明日から頑張ろうという活力をもらえたライブだったし、wacciに出会えたことに改めて感謝した。
最後にもう一度言いたい。
wacciを知らないなんてもったいない。
セトリのプレイリスト