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美玲 始まり


私の名前は美玲。

高校生の頃から好きだった男と結婚し
その男の子供を産み、不倫をされて離婚した
26歳のシングルマザー。これは私の体験談だ。

私は異性にモテた。
背丈は日本人の平均ほどの高さ。
手足は細いが程よく肉付きがあり、
華奢に見えるがバストは平均以上という
恵まれたスタイルだ。
顔は鼻筋が通り、有名女優に例えられることが多かった。肌の色も白く、髪の毛もまっすぐで柔らかい。
自分で言うのも気が引けるが、
透明感のある穏やかな女性像と言えば
想像しやすいだろう。
女が羨む要素を持ち合わせて生まれたと思う。
男勝りな性格だが
誰とでも仲良くなれる性格も相まって
異性の友達は人よりも多かった。

当時、同じクラスにずっと好意を寄せている男がいた。
同学年の男の中で
ずば抜けて落ち着いた雰囲気を持っていた。
その男は爽やかで、何でもそつなくこなすが
目立つこともなく、柔らかく笑う優しい男だった。
そんな彼の全てに私は惹かれていた。

しかし私には手の届かない存在だった。
彼の横に立てるほど価値のある女ではないと思っていた。そのため彼にアプローチをすることは無く
ただ遠くから眺めている日々が続いた。
叶わぬ恋の寂しさから
取っ替え引っ替え違う男と関係を持ち
埋められない何かを埋めようとしていた。

そのうち私にも別に彼氏が出来た。
私のことを好きだと言ってくれた。名前は誠也だ。
誠也は背が高く、顔立ちもハッキリしており
歳のわりに落ち着いた性格だった。
懐っこく、甘えん坊の猫みたいな性格の男だった。
私はサッカー部のマネージャーをしていた。
彼は選手。同じ部活だったため仲が良かった。

いつから私のことが好きだったのかは分からない。
私は誠也のことを恋愛対象として見てはいなかったが
他の女子から人気がある男だった為
自分の価値を高める為に付き合うことにした。

付き合って間も無く、勉強を口実に彼を家に招いた。
季節は秋。部屋の空気はひんやりとしていた。
両親は共働きでいつも家に居ない。
姉妹もいない。私はいつも家で1人だった。

カーペットを敷いた床に机を置き
私は彼と対面に座った。
今この家にいるのは思春期真っ盛りの2人だけ。
正直なところ、勉強などどうでも良かった。
勉強する素振りを見せつつも、
頭の中ではこれから起こりうる可能性に
考えを募らせていた。

ふと、彼の足と私の足が触れた。
触れた部分から温もりを感じる。
2人とも触れた足を動かそうとはしなかった。
勉強に向かっている素振りをしつつも
それどころではないことは明白だ。

私『ちょっと休憩』

一息ついて背伸びをして、彼の横に寝転がった。
勉強なんかこれっぽっちも頭に入らなかった。
彼も便乗して背伸びをし、私の近くに座り直した。
彼が上からわたしを覗き込む。
蛍光灯が眩しく、彼の表情はよく見えない。

誠也『美玲ちゃんって髪の毛サラサラだね』

言葉と同時に誠也の細くて長い指が
私の髪を撫でた。

私『ほんと?嬉しい。
  体のケアはいつも気合いいれてるんだ。』

私はそう言いながら、スカートと靴下の間に
露出している自分の太ももを軽く撫でた。
誠也の視線は太ももに釘付けになった。

誠也が座る位置を変えて、近づいてきた。
そして、少し遠慮がちに
細く長い指が私の太ももに触れた。
その瞬間、2人の目線が合わさり
お互い引き付けられるように、軽く唇を当てた。

頬が熱くなる。
もっとしたい。
先ほどよりも強く唇を押し当てた。

(ちゅ....ちゅ...

2人だけの空間に、軽いリップ音が響く。

触れるだけだったキスが
次第に唇をついばむようなキスに変わる。
誠也は既に鼻息が荒くなりつつあった。

(ぢゅ.....ちゅ.....ぢゅ.......

乾いたリップ音が徐々に濡れた音に変わる。

息をするタイミングで
私の口内に誠也の舌がぬるりと侵入してきた。
生ぬるく濡れたキスは私を興奮に導いた。
そして堰を切ったように、激しいキスが始まった。


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