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伝統的な手打ちパスタ

サルデーニャの小麦文化でパン以外の代表的なもののひとつ、多種多様な手打ち
パスタ。ほとんどがショートパスタで特定の村でしか作られていないものも多く見られます。サルデーニャ料理はシンプルなレシピが多いのでせめていろんな形のパスタで変化をつけよう、とパスタの種類が増えたようです。
最近は特定の村限定パスタも島全域に見られるようになってきましたが、3つの地域の代表的なパスタをご紹介します。

   -島の南~全域で作られるフレーグラとマロレドゥスは島を代表するパスタ-
<フレーグラ>
ぶぶあられのようなちっちゃい粒々パスタ。料理された一皿を見るとリゾットの
ようにも見えます。
作り方も独特で底の平らなテラコッタのボウルに粗挽きのセモリナ粉と薄めの塩水(地域によっては水の代わりに卵黄とサフラン入りの塩水)を少しずつ入れて手の平で優しくマッサージ。何度か粉と水を足し、途中からセモリナ粉は細挽きのものも加えて時間をかけ、好みの大きさに育てます。それらを平らな器に移し一日ほど自然乾燥し、軽くオーブンに入れて完全に乾燥させます。
<マロレドゥス>
フレーグラより有名なサルデーニャのパスタで別名ニョケッティ サルディ。
セモリナ粉を水でこねた生地を細長く伸ばして小さくカットし、カゴや小さな
洗濯板のような専用器具の上を転がして成形します。

上がフレーグラ、下がマロレドゥス

   
    -”神の糸”を意味するフィリンデゥは内陸部ヌオーロの伝統パスタ-
一時はヌオーロでも作れる女性が少なくなっていましたが、ここ最近はちょっと
したブームなのか、他の地方の女性も真似てつくるようになったフィリンデゥ。
他のパスタ同様、セモリナ粉と水でこねた生地を小さく取って塩水を足しながらさらにこね、手のひらに生地を貼付けるようにして1本が2本に2本が4本に・・・と8回ほど糸のように細くのばし、アスフォデロ(ユリ科の植物)で編まれた平らなカゴに貼付けます。カゴ全体に貼り付けたら方向を変えてその上に再び貼り付け、それを3回繰り返した後、日に当てるなどして完全に乾燥させます。
見た目は細~い線が固まった網目状の板のようで、薄いパンのようにも見えます。伝統的な食べ方は羊のブロードにパリパリッと一口大にカットしたフィリンデゥを入れ、サッと火が通ったらそこへ酸味のある羊のフレッシュチーズをたっぷり入れて熱々をフーフー言いながら食べる、これのみ、羊飼いの冬のご馳走です。

フィリンデゥ

                 
       -島の東側オリアストラの伝統パスタ、クルルジョネス-
上のパスタたちは作り立てのフレッシュを食べることありますが、だいたいが
日持ちがするように乾燥させたパスタ。
一方、詰めものをした生パスタもよく食べられます。地域によって名前や形、中に詰めるものが違っていたり様々ですが、要はラビオリ。
その代表的なのがジャガイモと羊のしょっぱいフレッシュチーズにミントをアクセントに効かせた中身を生地で包んだクルルジョネス。麦の穂のように生地を綴じて先細りのイチジク型に整えるのが特徴。人によって綴じ方が違っていたり、形もコロンとしたものや細長いものも。トマトソースで食べるのが一般的ですが、オリーブオイルと削ったペコリーノチーズをかけて食べる方が中身の味がよくわかり美味しい、サルデーニャの水餃子です。

クルルジョネス

見出し写真のようなパスタについてもまたの機会にご紹介したいと思います。 


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