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「オレも行くのか?」

当方、東北の片田舎。
90歳前後のお年寄りは、おばあさんでも自分のことを【オレ】と言ったりします。

先日、平日の仕事休みの日にあれこれ母の用事を済ませました。

母はたった今のことを忘れるし、覚えてたら覚えてたで不安になるので、出かける直前に「今日、〇〇に行くよ。」と伝えます。

その日は「今日はばあちゃんの髪を切りに行くよ。」と、まずは美容院へ。
道々、「しばらく外に出てなかったから‥」と咲き始めた桜に感激している母。
いやいや、昨日デイに行ったばかりですから。
そして美容院の駐車場に着くやいなや
「オレも行くのか?」
いやいや、あなたの髪を切りに来たわけですから。 

美容院できれいにカットしてもらい、続いて今更ながら母のマイナカードを申請するために市役所へ。
暗証番号を覚えられるハズもないので、顔認証限定のものにして、その場で写真も撮ってもらいます。

この時も市役所の駐車場に着くなり
「オレも行くのか?」
いやいや、あなたの写真を撮るのですよ。

そして最後は耳鼻科へ。
母は数か月前に急に左耳の聞こえが悪くなったことがあり、耳鼻科で大きな耳垢を取ってもらいました。

その際、お医者さんから「何ヶ月かに一度は来てください。」と言われていましたが、私はすっかり忘れていました。
ところが最近、今度は右耳が聞こえないと言い始めたのでさっそく耳鼻科へ。
車の中では「ばあちゃん、右耳が聞こえないって言うからこれから耳鼻科に行くよ。」とちゃんと説明しています。
うん、と本人返事もしていました。
なのに耳鼻科の駐車場に車を止めた途端に3度目の
「オレも行くのか?」

ここでは私も思わず「ばあちゃんの耳垢を取ってもらいに来たのに、ばあちゃんが行かないでどうすんのよ~」と言いながら、大笑いしてしまいました😅

そしてその晩、テレビに映っている桜を見ながら
「桜、今年も一度は見に行きたいもんだね~」と言うのでした。

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