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田舎者の私が日本代表に!?【トビタテ】

「咲和、おめでとう」それは誕生日前日の2019年4月24日の朝のこと。学校で先生から告げられたこの言葉。私は晴れて、トビタテ5期生になったのだ。

タンザニアに行くと決めたはいいものの、親の反応はイマイチ。受験生なのになぜ今なの?それにアフリカって大丈夫なの?そう言われた。

だけどそう簡単に引き下がる気はなかった。だからいろいろ調べてみて、トビタテという留学奨学金をもらえる制度を見つけた。高校2年の11月。福岡であった4期生の留学体験発表会に行ってみたり、エージェントを探してテレビ通話で相談してみたり、4期生のSNSとかフォローしていろいろお話し聞いてみたり。勝手にいろいろ進めていた。

この段階で、親はなんとなくは認めてくれていた気がする。

12月。学校で先生に受けることをいったあとは、書類を自分で作って過去のトビタテ生にみてもらう。それを繰り返して、1ヶ月半近くかけて1万字と言われている書類を作り上げた。

1次審査は、書類審査。留学計画、自主活動、アンバサダー活動、エヴァンジェリスト活動、危機管理、自己PRなど、たくさんのことを書かなければいけない。(詳しくはまた今度noteに書きます)

何度も何度も書き直したから、パソコンには7種類の書類データが今も残っている。実は提出期限の前日にも書き直して、朝4時まで書いて急いでコピーしたのを覚えている。その日の授業は眠すぎてそれどころじゃなかったけど、書類を提出できた安心感に包まれていた。それが1月末。

なんでかわからないけど、1次は受かったかなって思っていた。

ドキドキしながら待ち続けた結果。届いたのは3月中旬。無事に1次通過。

だけど2次までに残されていた時間は約1週間ととても短かった。

2次審査は3分間のプレゼンテーションと12分間の質疑応答。トビタテ支援企業の方が面接官だ。

学校でもずっとスケッチブックにアイデアを書き続けて、信頼できる先生に手伝ってもらって前日まで練習した。初めはボロボロで、自分でも何言ってるかわからないくらいだった。だけどいろいろな人にアドバイスをもらって、なんとか形にした。

面接当日。特別緊張はしなかった。「私の話を聞いてもらえる!!」そのワクワクの方が強かった。15分間の短い時間で、いかに自分を伝えるか。その勝負にもワクワクしていた。

プレゼンは自信満々で終わった。問題があったのは質疑応答。全くと言ってもいいかもしれないくらいに準備をしていなかった。聞かれると思っていなかったことばかり聞かれて焦ったけど、なんとか答えた。だけど一番答えるのに辛かったのは、「留学を終えたあと、あなたはどうなりたいですか」という質問。きっとみんな、こういう時は「私は将来、医者になってたくさんの人を助けます!」なんて、キラキラした夢をいうんじゃないかな。だけど私はその質問にとても戸惑った。

だって自分が将来どうなりたいのか、はっきりしていなかったから。

だから正直に、「わかりません。」と答えた。

その理由として、「私はこんな社会をつくることに貢献したいと思っている。だけどそのために何をすればいいか、まだまだ知らないことばかりで、今決められないと思うからです。」と答えた。

よくトビタテの先輩から、「将来のヴィジョンを聞かれたら具体的に答えることを意識してね!」なんて言われていたから、あ、やっちゃったかも、って思った。


面接結果には自信があったけど、それだけが引っかかって、ドキドキしながら結果を待った。


今思えば、不安に包まれながら過ごした1ヶ月はとても長く感じた。気が気じゃなくて、他県のトビタテ生の合格を聞くたびに不安になっていた。

そして1ヶ月後。冒頭の会話。

心の底から嬉しかった。そうしたら応援してくれていたクラスメイトも一緒に喜んでくれて、泣きそうになっている子もいたくらいだった。素敵な人たちに囲まれていたんだなって気付けた。最高の瞬間だったよ。

「トビタテ5期生として、7月にタンザニアに行く。」

なんとなく言葉に出してみると、体が、心が震えた気がした。



私はこのトビタテに応募したことで気付けたことがいくつかあった。

時間をかけて自分の気持ちに正面から向き合ったことで、今まで知らなかった自分に出会えたこと。自分の周りには、困った時には自分ごとのように一緒に悩んでくれる人がいること。躊躇せずにダメ出しをしてくれる人がいること。私の考えに新しい引き出しをつけてくれる人がいること。そして何より、「頑張れ」って言ってくれる人がいること。

私は自分で頑張っていたつもりだったけど、たくさんの人に支えられての合格だったんだって気付けた。それが一番の収穫だと思う。


きっとこの気持ちは、トビタテに応募した人しかわからないと思う。


応募すると決めてから約半年。

私はようやく、タンザニア行きの切符を手にした。


P.S.トビタテ応募に関しては、後日具体的にnoteに書きます。

まだまだ未熟で無知な若者だけれど、そんな私でもできること、私にしかできないことがあると信じて前に進み続けます。よろしければ応援お願いします。