人こそ人の鏡 〜このことわざにモヤモヤしませんか?〜(1,027字)

“人こそ人の鏡 / 他人の言動は、鏡に自分を映す鏡のようなものであるから、他人を見て参考にし自分を改めよ”。このことわざに引っ掛かりを感じつつ生活し、長年、頭のどこかでモヤモヤしていたものが、やっとスッキリしましたので記しておきたく存じます。

中国古代の歴史書・“書経”が源だそうでして、“人は水に鑑みること無く、当に民に監みるべし(水鏡に自分をうつして見ることをせず、人民の声によって我が身を反省するのがよい)”が由来とのとこです。

いずれも、一般的に戒め的な解釈がなされているかと思います。同時に、“人様の言動はコントロール出来ない”と言う見解も周知されています。

酷い言動に振り回されている人が、“自分もどこかに同じ様な面があるから自分に返って来るのか”と悩みを増幅させたり、堂々巡りしてしまうことがあると思います。単純に解釈すれば、霧は晴れないでしょう。しかし、このようなことを考えおられる時点で改善のための努力を続けていらっしゃるお方であろうお察しします。

“鏡”に反映されている部分は、表面的な有り様では無く、気になっている自分自身の一部だということであり、内面、もしくは波動とも言えるのかもしれません。

“嫌な目付きで周り見ては人の気分を害する人”、“捨て台詞で周囲を嫌な気分にさせる人”、“人を貶め、足を引っ張る行為”、“意地でも譲らない姿勢”などは、一見すれば他者を標的にしているようですが、自分自身に対してもそのような対応しか出来ていないのが現実ではないでしょうか。

自分自身を温かな目で見ることも出来ず、脳裏には自己否定の言葉が渦巻き、自分を高める努力にベクトルが向かないから、誰かを落とすことで自分が上にいると言う錯覚を起こそうとしているのかもしれません。心理学で言う、“価値低減傾向”でしょう。悩んで、何とか改善しようと試みている○○○さん、どうか自信を失わないでくださいね。

“写し鏡”を見た時は、自分に励ましの言葉を掛け、労いましょう。自分を信頼してやり一番の応援団長になりましょう。

その人の態度に重なるようにして、○○○さんのご自身に対する心の有り様が見えては来ませんか。辛く当たって来るその人も、本当ならば自分に優しくしたいけれどもままならず荒れているのではないでしょうか。“大切にしたい部分、でも時に忘れそうになっている部分”と言う意味での写し鏡なのではないでしょうか。自分に対しておざなりな部分があれば、そこを改めてはみませんか。

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