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黄土色 檜

いつも汲んでいる湧き水は

山の中枢 お不動様の隣にある

これだけたくさん木があるけれど

ぱっと見ても

まじまじと眺めても よくわからない

なぜか 

いつも落ち葉を持ち帰っていた

無意識に

カサカサしてるんだね

と 触れてみる

葉っぱをみていると

血の通っている 血管みたい

幾つもの手が 

やわらかく しなやかに

重なっているようにもみえる

どうやら檜らしい

香ってみる

火で燻らせると

ぱちぱち という音を立てて

とても よく燃える

どこか 懐かしい

わたしは 自然の近くで 育ってきたわけではない

なのに

なぜ 

懐かしいだなんて 感じるんだろう

夏の終わりの 花火の残り香みたい

物寂しい

夏の終わりがあれば

秋のはじまりが来る

そんな 自然の巡り

安心感

祖父母が住んでいた村は 桧葉

記憶にあまり 残っていなくとも

ただそこに 在る

今 ここに 在る

こうして 檜に触れる

それだけで

たしかに 感じる

 

お読みいただき、ありがとうございます。 とても励みになります! みなさまから頂いたエネルギーを巡らせていけるよう、精進してまいります!