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コロナ療養② ~会社員(37)の日記~

発熱から4日目の朝

10時に専用タクシーが迎えに来るまでの間、宿泊療養のため旅行用のキャリーバッグに荷造りをする

ホテル滞在期間は6泊7日事前情報では洗濯機があるらしいのでTシャツ5枚、短パン3枚、その他衣類、バスタオル3枚、フェイスタオル4枚、ハンカチ2枚を用意

それ以外はマスク・紙コップ・歯ブラシ・歯磨き粉・育毛剤・洗濯洗剤・熱さまシート・小説等書籍・PC・サロンパス等をバッグに詰め込んだ

ホテルでは弁当・水・お茶しかなく売店等は一切ないとのことであったため本当はお菓子とかコーヒーとか持っていきたかったけど、ただでさえワンオペで負担をかけている妻に買い出しをお願いするのは気が引ける

検討の結果、自宅にあった湿りきったせんべいと子供が食べないラムネを持っていくことに

9時頃には準備万端?でワンピース51巻(シャボンディ諸島編)を読んで時を待つ

しかし、ここで思いもよらぬ出来事が…

我が子と妻と1週間も離れるのは初めての経験となる今回、1週間も一人での孤独生活を考えると急に猛烈な勢いで寂しさが込み上げてきた

私はどちらかというと一人の時間を過ごすことが好きな性格なのだが、コロナに感染している不安もあったのかもしれない
私のセンチメンタルよりも大変なのは妻だ

私も何度かワンオペで家事育児をした経験(いうても1日程度)はあるが、本当にしんどくて発狂しそうになる瞬間もあるぐらい大変だった
妻には私の発熱時から帰宅予定日まで約10日間それを強いることになってしまうため本当に感謝と申し分けない気持ちが入り混じった感情になる

ありがとう、そしてごめん…


そうこうしているうちにお迎え時間の10時になり到着の電話をもらったので、妻に毎日電話(LINEのカメラ付きで話すやつ)してくるよう念押ししてから出発(念押しというかお願い)

知っている人も多いと思うが車内は運転席と後部座席の間にビッチリとビニールシートが張られていて、後部座席には冷房の代わりにホースで冷風が供給されるシステム

移動中、ドナドナが聞こえてきそうなぐらい寂しさと不安が押し寄せてきた

車に揺られること約1時間、目的地であるホテルに到着

どうやら裏口から入るらしい


建物内に入ると一定間隔を空けたパイプ椅子に座ってしばらく待ち

前のグループの説明が終わったら自分たちのグループ4名の番

ホテルや看護体制の説明の際、渡されたのは注意書き等の説明書と酸素飽和度測定器で1日2回ネットで体調を報告する(体温計は持参)

基本的に部屋から出ることはNGで食事・洗濯・その他用事の時だけ部屋をでる感じで、食事は1日3回館内放送でお知らせがありフロアごとに1Fへ取りに行くスタイル。そこに水やごみ袋、歯ブラシ、ティッシュ、ドライヤー(個数限定)等も置いてあり自由に行き来ができる

看護師やフロントへの連絡方法は基本的に携帯から連絡を入れるスタイル

スタッフの皆様、お世話になります

無断外出(報告しても外出は✖)が発覚した場合は警察に通報されるらしい…まあコロナ感染して普通に外出するほうがどうかしてるし、最近では無断外出してコンビニに行ったり館内で酒盛りしたりする輩も出てきているらしいから取り締まりは厳しくね

しかし、ニュースで見たけど宿泊療養中に酒盛りしたというのを聞くと、それだけ感染者も元気(無症状)な人もいるということでもあるし国もコロナ感染者への対応を考え直す必要性があるんじゃないかとは思う…



さてさて、ようやく部屋に入れることに
朝10時に家を出発してこの時点で昼12時過ぎ

5Fに用意された部屋はTHEビジネスホテルといった感じで寝るか座るしか出来ないぐらい狭いが、設備は少し古くも綺麗で特に気にならなかった

すぐ隣がマンションなので太陽光が差し込まず電気も少し薄暗いのが気になる…まあ冷房設備があって3食いただけるのだから細かいことは気にしないでおこう

部屋に入るとまず生活しやすいよう生活用品等を各所に配置し昼ごはんの案内を待つ

13時前 「ピンポンパンポーン!」
想定以上にボリュームが大きくビビりにはちょっとしんどい館内放送があり1Fへ弁当を取りに行く

フロアに降りると人が多く短時間ではあるが密集していた

ここにいる全員が感染者かと思うと凄く複雑な気持ちになった
ちなみに、私が滞在したホテルは常時300人程度が宿泊しているそうな


部屋に戻り弁当を食す
1食目


なかなかのボリューム!
おいしくいただきました


ちなみに、滞在期間中の夕食は2パターン選択が可能で入居時に決定し変更は不可となる(A魚メイン、B肉メイン)

昼食もフライものが多いだろうし私は「A魚」を選択

昼食を終えとりあえず自分は病人である自覚を持ち少し寝る
1時間ほどして目覚めた後ボーっとしていたが、せっかくなのでまずは見たかったものを見ようと思い伝説のドラマを視聴開始

そう、私が見たかったのが「半沢直樹」

一度タイムリーに見ていたけどどうしてももう一度見たくなった

私は金融機関に勤めているが決してあのドラマのような設定や展開は現実離れしている部分も多く、だからこそハラハラしておもしろい
ただ、あのドロドロした人間関係は会社によってはあるのかもしれない(笑)



「ピンポンパンポーン!」
あっという間に18時、夕食のお知らせ

エレベーター混むのが気になるので少し間を空けてからいざ出陣

宿泊当日は強制的にBの肉系弁当になるとのこと


写真は撮り忘れたが焼肉弁当みたいな感じだった
私は普段、晩御飯で米を食べないが(ビール飲むため)、さすがに療養期間中は米を食べることにした

ただ、毎回これを完食し続けたら確実に太ると思ったので少し残すことに

フードロスや廃棄ロスが社会課題の一つであることは重々承知しているが
ホテル側も完食を求めていないと言ってくれているので自分の体調管理の一環で残した
たぶんこれでも全然足りない人はたくさんいるんだろうな…


食後は少しくらい体を動かしたほうが良いかと思い、狭い部屋で足踏みしたりゆっくりスクワットみたいなことをやり、妻が念押し(お願い)通りに電話してくれて子供たちと少し会話した

やはり離れてみると改めて家族っていいな~としみじみ思う

その後シャワーに入り22時に就寝

私は変に神経質な一面があり、旅行先ではなかなか寝付けなかったりすぐに目が覚めてしまうことが多いのだが、病気で体力低下し気も張っていたせいか、横になるとすぐ眠りにつくことができた

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